<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女
年齢:41
プロフィール:10歳年上の夫と二人暮らしの主婦です。
私の住んでいる地域に緊急事態宣言が出た2021年夏、住んでいるマンションの感染対策として、エレベーターでは家族以外の相乗りが禁止となりました。
このルールはエレベーター内や掲示板にも張り紙がされ、住人はみんなルールを守り譲り合ってエレベーターを使っていました。
私も時間があるときは、後から来た忙しそうな人に譲っていました。
ところがあるとき、私がエレベーターに乗って扉を閉めようとすると「待って〜」と大声とともに同じ階の60代くらいの女性が息を切らして駆け込んでました。
しかも、閉まりかかった扉に手を挟んで扉を開けようとしたんです。
「相乗り禁止のルールがあるのに...」
そう思いましたが、よっぽど急いでいる急用があるのかと思い「お急ぎなら私が降りるんでお先にどうぞ」と女性に譲り私は降りました。
それから数日後、マンション近くの路上でその女性と会ったので「こんにちは」と挨拶をすると、女性は私から目をそらして私を避けるように早足で歩いて行ってしまいました。
もともと特に仲が良かったわけではありませんでしたが、顔見知りなので会えばお互い挨拶をする程度。
「もしかしたら私は避けられている?」とちょっとひっかかりましたが、その後はあまり気にせずにいました。
それから少し経ったある日、私が部屋を出てエレベーターに乗ろうとすると、ちょうど女性も部屋から出たタイミングだったようでエレベーターの前で会いました。
私は会釈をしましたが、女性は私を見ると大きなため息をつき、そのままプイと部屋に戻ってしまいました。
「やばい、やっぱり避けられている。どうしよう...」
戸惑いましたが、女性を追いかけてエレベーターを降りたことを言い訳するのも不自然です。
緊急事態宣言の解除にともないエレベーターの相乗り禁止のルールは廃止され、いつの間にか貼り紙もなくなっていました。
ルールがなくなっても私はなるべく他の人が乗っているときには乗らないようにしていますが、夫に聞くと朝の通勤時間帯などは相乗りになることが増えたようです。
こうなると、もう完全にエレベーターを降りた理由を説明するタイミングはありません。
私は女性が嫌で相乗りを避けたわけではなく、みんなで気持ちよくエレベーターを使えるよう真面目に感染対策ルールを守っただけなのに...。
悔しい気持ちもありますが、逆の立場で考えると理由も分からず、避けられたと思ったのだとしたら、相当ショックだったかもしれません。
エレベーターを降りるときに相乗り禁止ルールのことを言えば良かったのかな、と後悔してしまいます。
今は気まずいので、なるべくその女性と会いませんように...と思ってしまいます。
いつかコロナが収束して「あの頃はエレベーターも相乗りできませんでしたね〜」などと雑談ができるようになる日が来るといいなと思います。
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