「お前なんか産まなきゃよかった!」子どもをあきらめた私たち夫婦の心をえぐった義母の言葉

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ボーダーズ
性別:女
年齢:40代
プロフィール:不妊治療5年で終了。やさしい夫とネコと幸せな時間を過ごしています。

「お前なんか産まなきゃよかった!」子どもをあきらめた私たち夫婦の心をえぐった義母の言葉 5.jpg

私たち夫婦が知り合ったのは、夫が40代、私が30代後半のときのことです。

結婚と同時に私は退職し、夫の実家で同居が始まりました。

早く子どもがほしいと思っていて、周りからの期待も強く感じていました。

そんな中、年老いた義両親は年金だけでは生活できないものの、独身だった長男(夫)がいたので贅沢に生活していました。

車をそれぞれ所有し、節約とは無縁の生活だったようです。

私は一人暮らしが長かったので人並みの節約には取り組んでおり、義両親のだらしなさには同居と同時に驚かされました。

結婚して1年、子どもができなかったので不妊治療を始めた私たち。

とてもお金がかかることは覚悟していましたが、私の貯金から払い、なるべく家族の負担にならないように気を付けていました。

そのため、義両親のお金の使い方は少しずつ私のストレスになっていきました。

家の名義のことで義両親ともめることが増え、私の心が壊れかけたとき、夫は両親と話し合い実家を二人で出ることになりました。

夫曰く、義両親とは半分ケンカのようになって「出ていきたければ出ていけばいい」と言われたそうです。

長男を失った義両親は寝る間もなく内職をし、小さい車に買い替え、それでも生活が困難なので次は次男に泣きついたと聞きました。

私は同居が終わった解放感で気持ちが軽くなり、週に3日ほどのパートに出たり、不妊治療の講演会に出かけたり、親になる準備を楽しくしていました。

しかし、結果が出ないまま5年。

そろそろ今後のことを考えないといけない時期が来ていました。

すでに私は40代前半、夫は間もなく50歳。

治療がうまくいったとしても子どもが成人するときには夫は70歳。

成人した頃には親の介護を考えなければいけないとしたら、子どもは自由に楽しい人生を送れるだろうか。

年老いた私たちを気遣い、やりたいこともできずに縛りつけることにならないだろうか...。

治療にお金もだいぶ使ってしまっていたので夫婦で話し合い、治療をやめることにしました。

それからは自分たちの人生設計を考え、私は少し仕事を増やして貯金などを見直していました。

そんな頃、ほとんど付き合いがなくなっていた義父から珍しく「相談があるんだけど」と、低姿勢な電話が夫にかかってきたのです。

その日は夫の誕生日で、二人で外出中でしたが、切り上げて夫だけが実家へ行きました。

そこで夫が聞かされたのは、お金の援助に関する相談でした。

次男に援助を打ち切られ、内職もきつくなって生活ができなくなっていたようです。

しかし、家には無駄なものがたくさんあったため、夫は改善するよう言ったそうです。

車は1台にすること、3つある冷蔵庫を1つにすること、いつお客が来てもいいように朝から晩まで家中で冷房、暖房を付けているのをやめること...。

とにかく生活を見直し、節約するよう伝えました。

そうすれば同居も考えると。

そうすると義母は「お金を少し出してくれればいいんだ」と夫に怒鳴ったそうです。

夫は「俺も妻との生活があるから、今ここでは結論を出せないよ」と伝え、帰ってきました。

家に帰った夫は、義母から「『おまえなんか産まなきゃよかった』と言われた」と少し寂しそうな表情をしていました。

私は力いっぱい夫を抱きしめました。

私たちは何のために妊活していたのか。

子どもを望み、誕生を喜び、幸せを願う。

成長していく姿に目を細め、夢を追うことを応援し、負担にならないように親としてできることはする。

そんな気持ちを持ちつつ、今産んでも自分たちが子どもの負担になると考え、妊活を卒業しました。

夫は真面目に健康に、小中高校を卒業して地元企業に就職しました。

実家から勤めに行くことを希望して、両親の思い通りに生きてきました。

義両親はなんの不満があるのでしょうか。

子どもが大きくなって幸せになっていくのを妬むように、どうしてそんなことが言えるのでしょうか。

いくら考えてみても、義両親の気持ちはまったく理解できません。

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