母の家族葬は115万円。見極めが難しかった内容とその費用について/中道あん

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。

お母様を家族葬でお見送りされた中道あんさん。慌ただしい中で行われた葬儀社との打ち合わせ。今改めて思う費用のこと、事前にしておくべきこととは。

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たとえ親が高齢であったとしても、まだ元気なうちから、どんな葬儀にしようかなんて決めている人は少ないだろうと思います。

私も、父のときに家族葬をしたので、母のときも当たり前のようにそうしました。

ですが、後になってから、そういえば生前「直葬にしてほしい」と母が言っていたことを思い出しました。

このように、いざその時になってみたら精神的にも余裕がなくなって、色々な判断を見誤ることもあるかと思います。

だから、まずは心落ち着かせ、冷静になることが肝心です。

私の場合はひとりで考え、決めましたが、誰か側にいてくれる家族がいたらぜひ同席して葬儀会社との打ち合わせをしたほうがいいです。

葬儀に値段はあってないようなものだと思うのですが、互助会員価格という特別価格で提供されました。

その特典合計金額は41万円でした。

例えば家族葬の一般的な祭壇40万円が24万円となり、その差16万円が特典金額でした。

親を亡くしたばかりで「お得になりました」と言われても、実際、有難いとも、良かったとも感じません。

ただ言われるがままに選んでいくという感じでした。

ただ1点だけ、納得いかなかった項目があります。

それが湯灌(ゆかん)です。

母は最期まで普通に生活をしていたのでお風呂にも入っていました。

病院で亡くなったので、看護師さんに清拭(せいしき)、故人のからだを拭いてキレイにしてもいただきました。

私もお手伝いをしました。

亡くなってしまってから、どんなに手厚くしても本人には分からない。

長期入院をしていた方で家族の「お風呂に入らせてあげたかった」という気持ちを汲んでなら湯灌もいいでしょう。

でも、「私だったら、知らない人に裸体をさらすなんてまっぴらごめんだわ。これって商売じゃないの?」と、寝た子を起こす行為にも思えたのです。

なので「湯灌の必要性を感じない」といったのですが、セットに含まれると断固拒否されました。

価格は8万円。

いまだに納得いきません。

あと他にも必要なかったと思われるのはフロアサービスの女性。

家族だけならお世話になることがほとんどありませんでした。

通夜と告別式で4万円かかりました。

一方で、良かったと思うこともあります。

家族の都合により、亡くなってからお通夜までに3日間あり、エンバーミングをお願いしました。

遺体の衛生状態を長く維持するために必要な施術のことです。

それによって体を冷やすためのドライアイスなどを使うことはなかったので良かったです。この費用は19万円でした。

このように、こちらの希望に沿わなくても発生する費用があったり、よく分からないまま希望してしまったことがあったり。

でも、希望が叶えられて良かったこともあったりなど見極めが難しかったです。

短時間で打ち合わせするので、やはり良く考えて答えを出せなかったと思います。

でも結局のところ、お寺さんなども紹介してくれ、無事にお見送りできて良かったです。

葬儀費用に関しては、「どのような葬式形式を選択するのか」で変わってきます。

またお寺さん費用などをはじめとしてまとまった現金も必要なので、やはり事前に準備しておくと安心です。

互助会に加入していることを家族の誰にも知らせていないと、使わずに終わってしまうケースも考えられます。

そこも共有しておかないといけませんね。

実は、母が積立ていた分は承知していたのですが、自分が契約した内容があいまいで、葬儀会社さんが色々調べてくださいました。

そんな感じなので、契約書もどこに仕舞いこんだのか、覚えていません。

なので大切のものの保管場所はきっちりと決めておかねばいけないなと思いました。

契約書は紛失したことにしておきました。

母の小さな家族葬は150万円が会員価格で115万円ほどでした。

それを、貯めてあった互助会費と少額保険の保障金額を充当し、残りを現金で支払いました。

そのほか、お寺さん費用、供花、お世話になった方々への粗供養費、飲食代が必要でした。いつなんどきか分からないですが、必ずやってくる終活。

ご参考になれば幸いです。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

中道あん


「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため、正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。

中道あんさんのブログ:アラフィフの生き方ブログ|50代を丁寧に生きる、あんさん流

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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

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