20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
急遽の入院から突然に息を引き取られたお母様。心の準備を整える間もなく、中道あんさんはお見送りの準備に取りかかることになり...
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先日の母の83歳の誕生日には、秋物洋服を一式揃えて贈りました。
寒くなったらダウンのベストが便利かと思い、それも包んでもらいました。
体調が悪そうでしたが、まだまだ先があると思っていたのです。
だからこそのダウンベスト。
その、どれにも袖を通すことなく、贈った数日後に亡くなりました。
9年前、父を亡くしました。
その時はあとどれくらい持つかは分からない状態でしたが、入院し、その時を待っているかのような亡くなり方でした。
なので、いよいよという段階になって、お葬式をどうするのかを母と妹の3人で話し合いました。
当時はまだ家族葬も一般的ではなかったように思います。
というのも、狭い会場を探すのに大変苦労したから。
大手葬儀屋さんの式場は広すぎて、家族だけで見送るにはとてもじゃないけれど寂しすぎたのです。
十年一昔とはよく言ったもので、かつては隣組の組長さんにその旨伝えるだけで、隣組全員が集まって葬式の全て取り仕切ってくれたものです。
喪主といえども、家族は悲しみに浸っているだけで、葬式は済んでいくものでした。
そんな一連の費用は、実家周辺では300万円とも500万円とも言われていました。
そんな風習の中、家族葬は異例だったと思います。
でも今はどんどん家族葬が増えており、葬儀会場から参列者が溢れ出るようなお葬式を見かけなくなりました。
代わりに、1会館で1軒分の葬儀しかできない小さな葬儀会場が増えています。
母はあっけなく突然になくなりました。
人ひとりが亡くなると、家族は心の準備を整える間もなく、お見送りの準備に取りかからなくてはなりません。
いまは隣組のようなコミュニティが手伝ってくれることはないのです。
だから「互助会」に入っておいて本当に良かったと思いました。
互助会のメリット、デメリットはあるでしょうが、私は大変助かりました。
互助会とは、毎月一定額積み立てておくことで、葬式や結婚式など多額の費用が発生する行事に備えることができるシステム。
生命保険のように積立て、後にお金を受け取るのではなく、葬式で祭壇など一連のサービスを受けることが出来るというものです。
母が加入していた最も一般的な3,000円/月×80回が満期になり、引き続き私が2,000/月を積立て、セールスマンに勧められるがまま少額短期保険に加入していました。
互助会へ亡くなったらすぐに電話連絡すれば、たとえそれが深夜であっても、車の手配に始まり、面倒な火葬許可証など手続きなど代行してくれます。
そして実際どのような葬儀をしたいか伝え、葬儀会社の担当者が提案するパンフレットの中から祭壇など式場設備を選べばいいのです。
たくさんある中から選ぶのは迷いの原因になりますが、2択か3択の中からではパッパッと決まっていきました。
その点について疲弊することがありませんでした。
次回に続く
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