<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おかあ
性別:女
年齢:46
プロフィール:5歳下の夫(41歳)、中学生の息子(14歳)、小学生の娘(11歳)と関西の地方都市で暮らす、まだまだ子育て真っ最中の会社員です。
私の夫は5歳も年下のせいか、何かにつけて私に頼りっぱなしです。
何の映画を観るか、どこに旅行するかなど、いつも何かを決めるときには「君のしたいようにすればいいよ」と言って決断を私に丸投げ。
丸投げするならするで、後でとやかく言わなければいいんですが、いつも後になってから文句をつけてきます。
「ほら、やっぱりイマイチだった」
「本当は他のが良かったんだよな」
それなら人任せにせずに意見を言えよ! とイライラしていましたが、ある日、イライラが爆発してしまう出来事が起きました。
それは、コロナが流行する少し前、2020年のお正月休みのことです。
子どもたちが出かけていたため、夫と二人で外出することにしました。
「どこに行く?」と訊ねても、やっぱり夫は「どこでもいいよ」との返答。
「じゃあ、最近できたスイーツ店がすごく人気らしいから行ってみようよ」
いつものことなので、私が行き先を決めました。
着いてみると、お正月休み中ということもあり、お店の前には長蛇の列。
「すごく並んでるね。どうしよっか?」
「どっちでもいいよ」
夫はいつも通りの答えでしたが、せっかく来たんだし、と思い行列に並ぶことにしました。
1時間近く並び、ようやく店内に入れそう、というタイミングで、夫が文句を言い出しました。
「まだかよ。だから俺はこの店じゃない方がいいと思ってたんだ」
カチンときたものの、ぐっと我慢して聞き流しました。
それなのに、夫はグチグチ文句を言い続けます。
「こんな思いまでしてスイーツなんて食いたくないよ」
「そもそも、俺は外出なんてしたくなかったんだよな」
寒い中でずっと並んでいたイライラも加わり、私の怒りは頂点に達しました。
「もうええわ! そんなしてまで一緒に食べてもらわなくて結構! はよ帰れ!」
気が付けば、たくさんの人が並ぶ行列の真ん中で、夫に向かって叫んでいたのです。
夫を含め周囲の人たちが凍り付いている中、タイミングが良いのか悪いのか、状況を知らない店員さんが「次お待ちの方、何名様ですか?」と私に訊ねてきました。
怒りMAX状態の私は迷いもなく「1名です!」と答え、唖然としている夫を残して一人で店内に入りました。
プリプリ怒りながら一人でスイーツを食べていると、空いた隣の席にお客さんが案内されてきました。
そのお客さんは、なんと私に置き去りにされた夫ではありませんか。
とても気まずそうにスイーツを注文している夫、嫌みの一つも言ってやりたくなります。
「こんな思いまでしてスイーツなんか食べたくなかったんとちがうん?」
「もう言わんといて。一人で並んでるの、めっちゃ恥ずかしかったんやから」
夫はしょんぼりしていました。
周囲から好奇のまなざしを向けられる中、大きな背中を丸めて並んでる夫の姿が目に浮かんで...。
また、よりによって隣の席になる偶然に、あんなに怒っていたことも忘れ、思わず笑ってしまいました。
「これからまた、後になってから、ごちゃごちゃ言ったらまた置いて行くからな」と言うと、「ごめん」と謝ってくれたので無事、仲直りすることもできました。
残念ながら、今でも夫の悪い癖は治っておらず、ちょくちょく腹が立つことはありますが、この一件以来「あんまり文句言ってると、『また』置き去りにしたるからな!」と言う脅し文句が使えるようになりました。
関連の体験記:大声で罵り合い夫は出ていき、3歳の娘は号泣...。離婚危機の原因、たかだかこんなことでした
関連の体験記:離婚した私には理解できない...? ケンカばかりの両親に感じる「長年連れ添った夫婦の絆」
関連の体験記:「本当に馬鹿だな」「何もできない奴だな」何年たっても慣れない、夫の「夫婦喧嘩の締めのひと言」
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。