<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちーさん
性別:女
年齢:63
プロフィール:夫62歳会社員、私63歳会社員の二人暮らし。同じ町に住む息子は38歳公務員です。
同じ町に住む38歳の息子は、高齢者福祉に関わる仕事をしています。
ときどき我が家に夕飯を食べに来ると、我が町の高齢者の現状を話してくれます。
「今、深刻なことは、『はちまるごうまる』だよ」
「コロナ禍で高齢者の仕事がなくなり、生活が大変みたいだよ」
「また、あったよ。○○の別荘地で孤独死が...」
心に重くのしかかるのか、ポツリとポツリと話し始めます。
昭和に入ってから観光業で発展してきた私が住む温泉地の小さな町は、旅館などに住み込みで働く人たちが流れ着いた場所でもあります。
当時、人気のあった温泉地の旅館は大勢の観光客で賑わい、宴会場の近くを通ると飲めや歌えやの大騒ぎが聞こえてきました。
そんな旅館で働いてきた方たちが高齢者となり、今では生活が困窮している人が多いそうです。
息子は「年金をまともに払ってこなかったから」とも言っていました。
息子が話す「はちまるごうまる」は、正しくは「8050問題」。
80代の親が50代の働かない子どもを、少ない年金で養っているという、世間でも問題になっている社会問題です。
そうした親子の多くは、生活保護を受けていると聞きました。
そういう世帯が増えてきたと息子は嘆いていました。
まだ働くことができる高齢者の方は、旅館などで掃除や洗い物係として働いていましたが、コロナ禍で仕事がなくなってしまいました。
私がよく行くスーパーでは、夕方5時過ぎにはお総菜が2割引から半額ぐらいまで割引されます。
その時間に行くと、高齢者の方たちがお総菜が半額になるのを待っているのをよく見かけます。
それも1人や2人ではなく、かなりの人数です。
一人で別荘地に住む高齢者の方は身寄りのない人も多く、高齢者福祉に従事する市の職員の方が定期的に訪問しているそうです。
また、市の職員の方は、近所に住む人からの連絡で訪問することも少なくないのだとか。
「ここ何日か電気がつけっ放しで、覗いてみるとテレビもついているようだから見に来て」
そんな連絡を受けると、警察に連絡することもあると聞きました。
公になっているのか分かりませんが、高齢者のこのような状況は問題視すべきだと感じます。
裕福な高齢者の方も多いと思いますが、一方で年金をまともに納めて来なかったため、困窮している方もいます。
働いていても、体の具合が悪くなったり、仕事がなくなったりして大変な思いをしている方もいます。
若い人たちで、年金なんてもらえるか分からないから納めないと言っている人たちがいるようです。
厚生労働省のホームページを見ると、国民年金の納付率が少ないと感じました。
「将来は年金なんて当てにならない」と言って、将来を考えずにいると、困ったことになると思います。
年金がもらえる年になったときに「年金が入る」というありがたみを感じるのではないでしょうか。
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