<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さとこ
性別:女
年齢:38
プロフィール:結婚10年目。家族構成は、しっかり者の6歳の女の子、優しく温厚な3つ年上の主人、最近物忘れが多い私の3人家族です。
今から20年以上前、私がまだ20代初めの頃の話です。
蒸し暑い夏の夜、友人と2人で久しぶりに飲みに行きました。
お酒が飲めない私ですが、居酒屋は大好き!
お酒に強い友人と盛り上がっていたとき、隣の席の男性に声を掛けられました。
Aさんはお酒が飲めない、Bさんは酒豪という、私たちと同じ様な2人組でした。
その日は金曜日、次の日が休みだという解放感もありすっかり意気投合し、楽しい時間が始まりました。
話も盛り上がりきった頃、Bさんが「こいつ霊感あるんだよ」と、Aさんの恐怖体験を話し出したのです。
この事がキッカケで怪談話が始まり、その勢いのまま深夜の山中へ、Aさんの運転で、ドライブに行くことが決まりました。
助手席は酒豪Bさん、後ろの席に私と友人が乗り出発。
車内も盛り上がり楽しく過ごす中、県内でも有名な心霊スポットである山の入り口に到着しました。
霊感のあるAさんは「ちょっと怖いけど、取りあえず行こうか」と、落ち着いた感じ。
隣のBさんも「いいねいいね、じゃ行っちゃうかぁ~」と、軽いノリで山道のドライブが始まりました。
時間は夜中の2時、真っ暗な山道を走っているのは私たちの車1台だけ、対向車もありません。
私と友人はさすがに怖くなり、後ろの席で手を握り合って「ちょっと怖いね~」と話していました。
何事もなくドライブは続き、Bさんが「なんかつまんねえなぁ」と言ったそのとき、車の前に人が現れたのです!
慌ててブレーキをかけ、車が急停止しました。
スラッとした背の高い白いTシャツを着た男性で、飛び出してきたというよりも、ふらりと現れた感じだったので「怖い」というよりも、私と友人は「驚いた」感じでした。
Bさんが「危ないだろう!」と叫ぶと、その男性はゆっくり会釈し、私たちの車の横を通りすぎ、逆方向へ歩いて行きました。
「びっくりしたねー」と私と友人は話しながら、車は再び発進、そのときにBさんが「こんな時間に一人でいるのおかしくねぇ...?」と言い出したのです。
時間は深夜2時半、山中に徒歩の男性、「確かに...」一挙に車内は恐怖でいっぱいになりました。
Aさんはすぐに来た道を戻り、男性を探しましたが誰もいません。
ポツンと真夜中の道路に、私たちの車が1台あるだけです。
男性に出会ってから車が戻るまで、時間としてわずか5分程。
山道で高い塀と斜面しかないので、この短時間でどこかに行くとは考えられません。
怖くなってきた私と友人は「もう帰ろう!」と半分泣きながらお願いしました。
黙々と運転を続けるAさん、車内は静まりかえっていました。
山道を出てしばらくして明るく賑やかな道に出た頃、空気を変えようと思ったBさんが「すげーびびったよなぁ!」と、明るく声を掛けました。
すでに山を離れていることもあり、安堵した私と友人も「怖かったねー」と、車内の空気が一気にやわらぎました。
助手席のBさんが、運転している霊感の強いAさんに声をかけました。
「さすがのお前もびびったんじゃねえの?」とニヤニヤしながら話しかけたとき、Aさんが口を開きました。
「怖がると思って黙ってたけど、男の人のシャツに血がついてたんだよね」
黙り込んだ私たちに、Aさんは続けて言いました。
「でも悪い感じじゃなかったし大丈夫だと思うよ」
笑顔で話すAさんに再び凍りつく車内。
察したのかAさんは明るめの音楽を掛け、ドライブを続けてくれました。
夜が明け、私たちは解散し、帰途につきました。
それ以来その男性には会っていませんが、今でも本当に不思議でゾッとします。
霊感のある人と一緒にいると見えたりするとは聞いていましたが、本当にあるんだなと思った、若い頃のちょっと怖い思い出です。
関連の体験記:窓の外に青白い顔の少年が...!? 友人がガタガタ震え、同じ道を何度もループした恐怖の霊体験
関連の体験記:欠勤理由は「幽霊が出た」「盗聴器が100個見つかった」!? 部下全員が唖然とした不思議ちゃん上司
関連の体験記:いつの間にか「不治の病」にされてしまった私。会う人みんなが幽霊でも見るように驚いて...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。