<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くあら
性別:女
年齢:53
プロフィール:朝早く目が覚めるのは何歳から? 早起きが苦手な53歳。
実母は80代後半、義母が70代後半です。
ともに伴侶を亡くして10数年がたちます。
2人とも普段話し相手がいないせいか、電話や、たまに会うとものすごくしゃべります。
それも会話というより一方的にしゃべり、こちらは相づちを打つか打たないかくらいしか口を挟めない感じです。
一度話し終えたことを一周回ってもう一度初めから話すこともあれば、あ、その話こないだも聞いたよ、3回目だよ、と思うことも度々。
けれど、話をさえぎるのも悪いし、「はいはい、うんうん」と言っていれば機嫌がいいので、お年寄りとはこういうものだよなあ、と思いながら聞いていたものです。
私は、コロナ禍以前は週に1度くらい友人とランチへ行ったり、月に1度くらいは飲みに行ったりしていました。
そのときに互いの近況報告をし合い、あんなことがあった、こんなことがあったと他愛ない情報交換をしていました。
面白い話や興味深い話を聞くと、夫(52)や子どもたち(ともに成人済み)に話します。
「こないだ〇〇さんちの娘さんが転職したらしくて...」
「△△さんちのご主人が病気で入院してたらしくて...」
などと夕飯時に話し、家族は「へえー」とか「ふうーん」とか、適当な相づちを打つのが日常でした。
ところが先日のことです。
いつものようにごはんを食べながら家族としゃべっていると、子どもに「ママ、その話こないだもしてたよ」とさえぎられたのです。
「えっ、ホントに?」と聞くとなんと夫が「俺と2人のときにも言ってた」と言うではありませんか。
思わず「いつ話した? どんなシチュエーションで?」と夫と子どもを問い詰めてしまいました。
私自身、話した覚えがないことだったので、すぐには納得がいかなかったのです。
「いついつ、こんなときに」と説明されても思い出せず、腑に落ちないままでした。
それからも日を置いて、同じようなことが数回ありました。
「ママ、ボケたかしら」とつぶやくと「いやあ、年だし、そんなもんじゃないの」と言われ、余計に落ち込むやら腹立たしいやら。
友人と会うことがめっきり減り、新しい情報源もテレビやネットニュースの受け売りしかなく、脳が衰えてしまっているのかもしれません。
それからは家族に会話を提供するときは、「これ、前も話したかも知れないけど」と前置きをしてから話すようにしています。
それと同時に、実母や義母との会話も「それ、前も聞いたよ」と言ってあげる方が相手のためなのか? とも考えるようになりました。
いつまでも若い気でいても、確実に衰えていくんだなと悔しいながらも理解できました。
今後は気を付けていこうと気を引き締めているところです。
関連の体験記:夫の裏切りにショック...8歳と6歳の娘が「夫の名刺入れ」から抜いて遊んでいたカードの正体は...
関連の体験記:「生きるだけで精一杯」な90歳父と85歳母。両親を見守りながら考える自分の「そう遠くない将来」
関連の体験記:「お前も歳やな」ロースかつ一枚食べただけで...忍び寄る「老化」が大食いだった私を変えていく
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。