<この体験記を書いた人>
ペンネーム:文月奈津
性別:女
年齢:64
プロフィール:長男が2021年の暮れに結婚し、主人と次男の3人暮らし。この夏憧れだったステンドグラスの教室に行きます。
2000年秋、当時40代だった主人に3度目の転勤の辞令が出ました。
もう転勤はないだろうと自宅を購入して1年半がたっていました。
長男小五、次男は小三。
夫婦でここに行かせたいと思っていた中学校の受験のため、長男は進学塾に通っているところでした。
しかし、男の子2人の教育には父親が必要とかねてから思っていたため、話し合いの結果、東北のとある都市に引っ越すことにしました。
家は住まないと痛んでしまうと聞いていたので、貸すことに決めました。
近所の方が、自宅近くの不動産会社に依頼した方が借主は見つかりやすいとアドバイスしてくれたので、家から10分ほどの不動産会社に依頼したのです。
貸す条件としていろいろ決めた中で、絶対に禁止としたのはペット不可と子ども不可。
その条件をクリアした成人の息子さんがいる夫婦の3人家族が借りてくれることになり、ほっとしました。
2002年春、長男が中学に合格できたので、自宅のある市に私と子どもたちだけで帰ってきました。
2年の契約期間が過ぎないため、私たちは1年だけアパートに住むことになりました。
近所の方とは親しくしていたので、帰ってきたあいさつに伺うと、びっくりする話を教えてくれました。
「ペット不可と聞いていたのに、猫を数匹飼っているよ」と。
聞いたときは、大ショックでした。
私は猫が大の苦手なんです。
猫は家につくと聞いています。
借主が引っ越しても、猫がまた家に来たりしたら...。
体調がすぐれないからと引き渡し日を延ばされ、引っ越した後を見に行ってまたショックを受けました。
障子やふすまが破れているとか、壁紙が汚れているというのなら、修復は簡単です。
でも、修復が難しいところばかり痛んでいたのです。
何か重い物を運ぶときにこすったらしく、玄関の上がりかまちが大きくえぐれています。
猫の被害はいくつかあり、二階のベランダに出る箇所にも猫が爪をといだ後が無数にありました。
キッチンの出窓のステンレスの所も、金属たわしで力いっぱいにこすったらしく、傷だらけでした。
他人の家だと思って、大切に使う気持ちがない人たちだったのだと思いました。
毎月、1万円管理料を払っていた不動産会社に、家の状況を説明し、契約違反のペットの話をしました。
「責任は、どう取ってくれるのですか」との私の問いに不動産会社の社長は「訴えればいいじゃないか。裁判を起こせばいい」と開き直ったのです。
不動産会社も、社長自身の家も我が家のすぐ近くにありながら点検を怠っておいて、誠意のない態度に無性に腹がたちました。
私は断固闘うぞと思ったのに、法学部出身の主人は「常識のない人を相手にしても無駄だ」と言うのでした。
結局、契約違反の借主の敷金は返却しないだけでこの件は終わりました。
キッチンの出窓のステンレスの所の無数の傷や、トイレの手洗いのボールの傷を見る度、私はしばらくの間ため息をついていました。
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