<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。
数年前から、母(70代)がよく「年を取って、食べられなくなった」と言います。
そう言う割にはよく食べるなと心の中で笑いつつ、何となく聞き流していました。
他の老化現象と同じように、自分にはまだまだやってこないとどこかで考えていたのだと思います。
ところが、とんでもないことでした。
思いのほか早く、しかも突然、我が身に降りかかって来たのです。
私は食べ放題、特にデザートバイキングが大好きです。
小振りなケーキを20個にサラダやフライドポテトも平気でペロリ。
怖いのはカロリーだけで、胃のもたれで苦しんだことはありませんでした。
そんな大好きなデザートバイキングも、田舎に帰って来てからはマメには行けず、最後に行ったのは3年ほど前だったと思います。
「また行きたいなぁ」と漠然と考えていた時、近い場所で開かれるのを知りました。
知ってしまった以上は行かなければ!
外食を自粛してきた反動もあり、早速、家族を誘いました。
そうして、久し振りに出掛けたゴールデンウィーク。
目の前に並んだかわいくておいしそうなケーキと、サラダやオードブルは前よりもおいしそうに見えました。
あれもこれもと目移りしながら一度に3枚もお皿に盛り付け、いざスタートです。
「カニを食べていると無言になる」と言いますが、このときの私も恥ずかしながら無言になり、以前と同じペースでモリモリ食べ進んでいきました。
そうして3枚のお皿を平らげて、お替わりで2枚のお皿に取り掛かり始めた矢先のこと、何だかお腹にしっくり収まっていないような、もやっとした感じがあったのです。
これが胃もたれ? いやいや、ちょっと待ってよ。
まだ折り返し地点でしょ?
ケーキは13個くらいだし、オードブルだって予定の半分しか食べてないでしょ?
信じられない、いや信じたくない気持ちで「そんなハズはない」と言い聞かせました。
気分転換に水を飲んで食べ続けたものの、残念ながら悪い予感が当たりました。
あっと言う間に胃もたれが加速してきて、さらにお腹も張って苦しくなりました。
「えぇ~本当に? 無理か?」
そう心でつぶやきつつ、この事実が受け入れがたくて、コーヒーを飲みながら少し様子を見ていたのですが、収まる気配もありません。
最後の意地で、ちょびちょびと食べてみましたが、やっぱり無理でした。
食べようとしていた量にはまるで届かず、無念のギブアップです。
同時に、母の顔が目の前に浮かび、これが「年を取って食べられなくなる」ってことかと、理解できました。
お母さん、あのときは笑ってごめんなさい。
人をからかっていると、いつかは自分が笑われる日が来る、まさに明日は我が身でした。
関連の体験記:旧友との再会...名前は出てこなくとも若い頃の記憶が溢れ出して/石塚ワカメ
関連の体験記:工場の夜勤のパートで、60歳の同僚女性が突然倒れて...「明日は我が身」と感じた恐怖体験
関連の体験記:娘に月2万円を渡して「残りは好きに使っていいよ」って...同棲を始めた彼氏はアホなの⁉
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。