「もう離婚する!...えっと、原因は何だったっけ...?」コロナ禍になって気づいた自分の未熟さ

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:くあら
性別:女
年齢:53
プロフィール:毎日毎日コロナのニュースばかりでうんざり。

「もう離婚する!...えっと、原因は何だったっけ...?」コロナ禍になって気づいた自分の未熟さ 1.jpg

夫は52歳、結婚して約25年になります。

子どもがもう大きいので、休日は夫婦2人で過ごし、晩ごはんも2人で食べることが多いです。

お互いお酒が好きなので、毎晩のようにテレビや映画を観ながら飲んでいます。

基本、仲は良いほうだと思うのですが、お酒が入ると会話がエスカレートして議論のようになり、自分の意見を曲げることなくケンカに発展してしまうことが多々あります。

私は昔から怒ると口を利かなくなり、夫から話しかけられても無視、ごはんも作らなくなり兵糧攻めにします。

それは3日から長いと1週間に及び、耐え切れなくなった夫が平謝りして終わる、というのがだいたいのパターンです。

年を重ねるうちに少しずつケンカは減ってはきたのですが、このコロナ禍で一緒にいる時間が長くなり、またイライラすることも多く、口論が増えてきました。

先日、テレビを観ながら飲んでいて、コメンテーターの意見について夫と意見が分かれました。

他愛もない話がどんどん膨らみ、最後は「もう離婚する!」と私が言い放ち、夫も「おう、わかった離婚離婚!」と怒鳴って寝ました。

怒っていたものの、お酒が入っていたこともありすぐに眠りに落ちたのですが、早朝に目が覚めて、そこから眠れなくなりました。

布団の中で昨夜のことを考えて、ケンカに至った経緯をひとり反芻していたのですが、考えれば考えるほど何について怒っていたのかわからなくなり、しまいには笑いがこみ上げてきて、布団から出ました。

コーヒー豆を挽きながらお湯が沸くのを待っていると、気持ちが落ち着いていくのがわかりました。

そうこうするうちに夫が起き出し、キッチンで私がコーヒーを入れているのを見るとギョッとした顔をしました。

そのとき、私はごく自然に「おはよう」と声を出していました。

夫はさらにギョッとした顔をしましたが、「ああ、おはよう」と答えました。

そこからは普通に会話をし、いつもの朝になりました。

夫が出勤してからつらつらと考えたのですが、思えば今までのケンカでも朝になると夫はいつも普通に「おはよう」と言っていました。

それを無視していたのは私でした。

仕事から帰ると夫は「ただいま」と言い、怒りの収まっていない私はまた無視。

翌朝もまた翌朝も、懲りもせずに夫は挨拶していたっけ。

結局日にちがたてば私の心も落ち着き、夫の陳謝で終わる夫婦ケンカでした。

なんてつまらないことに長年エネルギーを使っていたのだろうと、バカバカしくなりました。

憑き物が落ちたようにすっと心が軽くなった朝。

これからもケンカはするだろうけれど、翌朝の「おはよう」でケンカを終えようと独りごちた私です。

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