<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女
年齢:54
プロフィール:セクハラに抗議したらパワハラで押さえつけられそうに...そんな理不尽な体験を紹介します。
政治家や有名人のセクハラ報道を見る度に思い出す苦い経験があります。
今から20年以上前、私が30歳を過ぎた頃の話です。
とある場所でパソコン講習を担当していたとき、同僚の女性講師(20代前半)が私の元にやってきて「もうできません」と訴えてきたことがありました。
彼女の体は震え、涙を流していましたので、ただ事ではないことはすぐにわかりました。
「いったい何があったの?」と、事情の確認をすると、彼女が酷いセクハラにあっていことが判明したのです。
その時の彼女はパソコン内の不要ファイルを削除中でした。
講習会をする際は、前の受講生がパソコンにダウンロードしたファイルが残っていた場合、次の講習までにそれらを削除しなければなりません。
それらの中には教材的なものもあれば、目を覆いたくなるような性的な画像もありました。
ですので、あらかじめどんな画像があるのかを見せた上で、業務遂行の可否を確認してから作業してもらっていました。
それでも辛かったのかも...と聞いてみると、その作業中にされた、客先担当者(40代前後の男性)の振舞いが問題だとわかったのです。
仕事を始めて数日が過ぎたその日、その担当者が突然やってきて作業を見守るといいだしたのだそう。
彼女は気まずさを感じつつも、担当者が離れた場所から見守っていたので作業を続行。
すると担当者は徐々に女性講師との距離を縮め、パソコンの画面ではなく彼女の顔を凝視し始めたのだといいます。
この女性講師はこの段階ですでに限界を感じつつも、時間に間に合わせなければと作業を進めていたのだそう。
しかし、この担当者は邪魔をするように声をかけてきたそうです。
「こういうの好きな受講生っているんだよね~」
「どんな気持ちで作業しているの?」
そんなセクハラ紛いの質問をしてきて、ついには「ところで彼氏いるの?」と聞いてきたのです。
ここで彼女は耐え切れなくなり、私に助けを求めたのでした。
私は「これは酷いな。許せないな」と思いながらも、なんとか冷静さを保ちつつ担当者のもとへ行きました。
彼女の説明をそのまま伝えると、相手はあっさり全てを認めました。
「それがどうしたの?」とでも言いたげな様子で。
それに対し、それがセクハラであることとそのことへの自覚の有無、彼女の仕事継続が困難になったこと、今後の振る舞いを改めて欲しいこと、彼女への謝罪を要求しました。
するとその担当者はムッとした表情に変わり、態度が急変。
作業の監視の正当性、話の内容は世間話の範疇だということなど、先ほど認めた内容をねじれた言い方でごまかそうとしてきたのです。
その上で、それくらいで仕事ができなくなった方が問題で、私の抗議も客に対する物言いではないとの不満を伝えてきました。
威圧的な口調で。
それなら強硬手段しかありません。
その担当者のとった態度と言葉は仕事の責任者としての公式なものとなること、それが今後の作業の継続を困難にすることだと伝えました。
さらに上司の方への事情説明と、後日議事録の提出をすること、その上で話し合いの場を持ちましょうと提案しました。
これに担当者は大慌てとなり、慌てて謝罪。
これ以降、同じ振る舞いをすることはありませんでした。
しかし、そこでメデタシ...とはならず、この後盛大なパワハラが待っていたのです。
実はこの後、この取引先と大きな仕事が控えていたのですが、条件の一部が変更されました。
今後全ての仕事から私が外され、一切の出入りも禁止するとの文言が追加されたのです。
その理由は「現場で極めて不適切な発言があったから」なのだそう。
結局、こちら側からその取引先との仕事の全てを断ることでこの件は決着。
後味の悪い幕切れとなりました。
セクハラへの問題提起はパワハラを招くという、理不尽な体験の紹介でした。
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