<この体験記を書いた人>
ペンネーム:myb
性別:女
年齢:46
プロフィール:15年間の結婚生活に終止符を打ち、歩み始めたばかりのシングルマザーです。
2021年春のことです。
仕事中、ある企業との電話で、新しく入られたというスタッフさんを紹介していただけるという話になりました。
そのまま電話を代わってもらい、軽く挨拶をしました。
声の感じだと40歳くらいの男性でしょうか。
実はその数日前にたまたま電話が繋がったことのある方で、私から「はじめまして」のご挨拶は済んでいました。
電話の対応が独特だったので、私にとっては印象に残っていたのです。
しかし、その方は私のことは覚えていなかったのか、「はじめまして」とおっしゃいました。
私も改めて「はじめまして」と挨拶をしました。
そして1分足らずお話をした後、その方は唐突にこう言ったのです。
「元気なお子さんがいて大変でしょうけれど、太陽のようなママでいてくださいね」
一瞬、何を言われたのか聞き取れず、聞き返してみると、「太陽のようなお母さんでいてくださいね」と伝えたかったとのこと。
私に子どもがいることは他のスタッフさんから聞いてご存じだったそうです。
しかし、あまりに唐突な発言で、私はすっかり面食らってしまいました。
この人は私の何を知ってこのような発言をしたのだろう。
私が普段、暗い顔で子育てをしていると思っているのだろうか。
さまざまな思いが私の頭をよぎります。
気になったので、なぜそのようなことを伝えたかったのか聞いてみました。
すると、「(何かの)本に書いてあったので」とおっしゃるのです。
その方が、誰のどのような本を読んだのかは定かではありません。
しかし、私はこれまで子育てをしてきた中で、育児本は何10冊も読んできましたし、子どもの年齢に合った勉強会や講演の聴講にも積極的に参加してきました。
その中にはもちろん、お母さんが笑顔でいることが大切だという内容が含まれていたこともありました。
しかし、自分なりに多くの情報を吸収し、取捨選択をしながら子育てをしてきた結果、本を読むだけでは解決しないことが多々あることも経験してきました。
育児本の通りに頑張ろうとして苦しんでいる親御さんも見てきました。
子どもの個性や、その日その時の状況に合わせた対応は、本にはそうそう書いてありません。
この方はそういうことを理解していないんだな、と感じました。
もし、本気で育児に悩んでいる人がこの言葉を聞いたとしたら、励ましではなく重圧しか感じないのではないかとも思いました。
そして「お母さんはこうあるべきだ」という考え方自体が、古い考え方のように思えて違和感も覚えました。
密かに怒りを感じて数十秒固まってしまった私ですが、自身が人に何かを伝えたい時には、言葉を選ぶようにしなければと改めて感じた出来事でした。
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