<この体験記を書いた人>
ペンネーム:こと子
性別:女
年齢:48
プロフィール:夫(46歳)、長男(13歳)の三人家族です。私はパートで働いています。
夫はクチャクチャと咀嚼音を立てて食べる、いわゆる「クチャラー」でした。
恥ずかしながら、そのことに気がついたのは、息子が自分でご飯を食べられるようになった頃でした。
息子がまだ3、4歳くらいの頃、食べ物を噛む時に口を開いたままで「クチャクチャ...」と音を立てていました。
私は食べ方のしつけは一番大事なことだと思っているので「食べ物を噛むときはお口を閉じるんだよ~」と毎日根気よく言い聞かせていました。
そんなある日、夫から「食事中くらい叱らないでやったら? おいしくなくなるじゃん」と言われたのです。
私は息子に対してきつい言い方をしたことは一度もありません。
内心かなりムカついたのですが、努めて冷静に返しました。
「えー。でも、食べ終わってからあの時はこうするんだよ、って言われても子どもは忘れちゃってると思うんだけど」
しかし、同時にハッと気がついてしまったのです。
「あれ? ひょっとして夫もクチャラーじゃない⁉」
当時は結婚して5年。
付き合っていた時期も含めたらそれ以上の年月を一緒に過ごしてきたのに、初めてそう思ったのです。
いわゆる「あばたもえくぼ」だったのか、私が夫の食べ方に興味がなかったからなのか、それまではまったく気にしたことがありませんでした。
ですが、クチャラーだと気づいてからは、食事の度に夫の咀嚼音が気になって気になって仕方がありませんでした。
おそらく夫は気がついていないのでしょうが、毎日のことだけにこちらは憂鬱な気分になります。
とはいえ、夫婦といえどもなかなかストレートに注意はしづらいものです。
加えて、うちの夫は人から注意されることを極端に嫌がるタイプ。
こちらから何かを言うと、理論武装で反論されてかなりめんどくさいことになるのです。
私は子育てでいっぱいいっぱいだったので、自然と夫に苦言を呈することを避けるようになっていました。
それでもどうにも我慢ができない時は、まだ時々クチャラーだった息子に向かって「クチャクチャ音がすると周りの人は気分が悪くなるんだよー」と言っていました。
テレビを見ている時に出演しているタレントさんがクチャラーだった時は絶好のチャンス!
「この人、クチャラーだね! しつけがなってなかったんだろうねぇ」
ここぞとばかりに嫌みな発言をしたこともありました。
たかが咀嚼音を気にし過ぎ! と思う方もいるかもしれませんが、私にとっては生理的に耐えがたいことなのです。
夫の実家に帰省した時に、夫の家族全員がクチャラーだったと気づいた時には気が遠くなるかと思いました。
生まれ育った環境の中で、周りにいた皆がクチャラーだったなら、特に気にすることもなく大人になってしまうのでしょうか。
今現在は私の地味な攻撃が効いたのか、夫も無事にクチャラーではなくなりました。
少し時間はかかりましたが、治って本当に良かったと思います。
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