<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女
年齢:43
プロフィール:小学生の子供が二人いるパート主婦です。
10年以上前に勤めていた会社での話です。
当時会社の業績が悪くなり、リストラが断行されました。
対象者は40歳以上、勤続10年以上。
私は対象ではなかったのですが、次々と会議室に呼び出され、青ざめ半笑いで帰ってくる先輩方を見ると、本当に心が苦しくなりました。
リストラ実行の責任者は、営業部の課長だったAさん(50代前半・男性)。
飲み会好きで、ほがらかな方でした。
Aさんはリストラを実行するために急遽人事部へ異動しました。
私はリストラを間近で見るのが初めてだったため、このような人事がとられることを知らず、驚きました。
リストラ対象の大部分は営業部の方です。
同じ部署の仲間たちを辞めるよう説得する仕事、そのつらさは計り知れません。
リストラ対象ではない同僚たちとはこんなことを話しました。
「Aさんも分かってるんだよ。でもどうしようもないんだよ。会社は、上の人が考えているのは保身だけ。私たちのことなんか考えているわけない」
リストラ対象者には割り増しで退職金が支払われるとのことでしたが、不景気の中、40歳を過ぎて転職しろと言われても、同じ給料で雇ってもらうことは難しいでしょう。
ですが、会議室で辞めるようかなり強く説得されているようで、大部分の方が退職を受け入れていきました。
そんな中リストラを拒否した人も2名だけいました。
その方たちは子会社へ飛ばされたのですが、その仕事内容は倉庫整理とは名ばかりで、なにも仕事がなかったのだそうです。
結局その2名も退職し、会社を去った人たちは50名ほどになったそうです。
そして仕事が済んだAさんも自らも辞めていかれました。
このリストラで誰か幸せになったのでしょうか? 残った私たちも、がらんとした営業フロアを見て、心が折れてしまいました。
なんのために必死で働いているんだろうと。
嵐のようなリストラが終わった後、驚いたのは社長、役員が誰も辞めなかったことです。
Aさんに実行役を任せたのは、営業出身の役員Bさんだと思います。
このBさん、もともと嫌な人と評判が悪かったのですが、その後高笑いをして「これで今年の夏はボーナス増えるぞ!」といっていたという噂が私の耳にも届きました。
噂なので真偽は分かりませんが、いかにも言いそうだと思いました。
会社とは社員を幸せにするものではなく、社員のことなんてなにも考えていないんだと痛感しました。
この出来事があってから、私は会社への帰属意識や忠誠心が全くなくなりました。
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