<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女
年齢:43
プロフィール:小学生の子どもが二人いるパート主婦です。
子どもが生まれたばかりの10年ほど前のことです。
赤ちゃんがいるため、買い物がしづらかった私(当時33歳)は、とある食材配送サービスを頼むことにしました。
食材配送サービスにもいろいろな会社があったため、資料請求をして吟味。
決めたのは自然派食品を提供してくれる、やや高めな値段設定の会社でした。
会員数は大手の配送サービスと比べると少ないようなのですが、おいしそうな食材を見て決めました。
初めての配送の日、商品を配達員さん(30代前半くらいの男性)から受け取りドアを閉め少しした後、またインターホンが鳴りました。
誰だろうと思いドアを開けると、そこにいたのは同じフロアに住んでいるAさん(50代前半・女性)でした。
細身で長い黒髪が印象的な方で、今まで挨拶しかしたことがありません。
「さっき、●●さんの宅配受け取ってましたよね。うちも会員なんです」
Aさんはそうおっしゃいました。
配達員さんはAさんのところに配達した後うちに来たようです。
「お宅に伺ってたようでしたからびっくりしたんです。ここは▲▲っていう商品がおいしいからおすすめですよ~」
いろいろおすすめ食材などを教えてもらえ、私は嬉しくなりました。
これをきっかけに、Aさんとはマンション内ですれ違うときなどに話す機会が増えました。
にこやかでいい方だと思っていたのですが、ある日のこと、衝撃的な場面に出くわしてしまったのです。
その日は配達日だったのですが、Aさんのところのインターホンの音がかすかに聞こえました。
次はうちに来るなと配送を待っていてもなかなか来ません。
何かあったのかと思い玄関の方に行くと、廊下からAさんの甲高い声が聞こえてきました。
「前の商品! 全く新鮮じゃなかったんですけど! あなた! 配達するとき確認しないんですか! あとその態度! 挨拶もろくにできない! 大人なのに恥ずかしい!」
クレームをつけているようなのですが、短いフレーズで叫ぶように文句を言う様子が常軌を逸しているように感じました。
配達員さんは縮こまって「すみません」と繰り返しています。
詳細は分かりませんが、「新鮮じゃない」というクレームはどうなのだろう...。
いつもにこやかなAさんの豹変ぶりに、怖いものを見てしまったと少し嫌な気持ちになりました。
そして次の週の配達日、またAさんの説教が聞こえてきました。
「なんなのその頭! 似合わない! なんで切ったの! バカじゃないの!」
どうしたのかと思いましたが、配達員さんがうちに来たときに分かりました。
彼は丸坊主になっていたのです。
うつろな表情をした配達員さんを見ると、とてもかわいそうになりました。
また、Aさんが怒っていた理由もわかりませんが、人の髪形を見て「バカじゃないの!」はないですよね...。
その後も私と会う時のAさんは、いつもにこやかなまま。
ですが、あの姿を知ってしまうと怖くて仕方がありません。
なるべく関わらないようにするため、私はその配送サービスを辞め、Aさんとは挨拶くらいしか交わさない関係に戻りました。
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