<この体験記を書いた人>
ペンネーム:茉莉花
性別:女
年齢:51
プロフィール:アラフィフのシングルマザーです。3人の子どもがいます。
現在、私はアラフィフ、3人の子どもがいるシングルマザーです。
年齢も年齢なので、下垂の一途をたどってはいますが、私のバストは標準サイズより大きめのようです。
そのことに初めて気づいたのは、中学2年の時でした。
同じクラスの男子生徒から年賀状が来たのですが、その年は丁度丑年で、何故だか、牛のおっぱいが揺れるイラストが描かれていました。
そこに添えられた文字は「茉莉花ちゃんのおっぱい飲みたい」だったと記憶しています。
ん? これはどういうことだ?
そう思いながら、日々の生活を振り返ってみると、体育の授業などで私が走ると、その男子生徒を含む何人かが胸を揺らす仕草をしていたことがあると気づいたのです。
...いやあ、これ、今のご時世なら完全にセクハラですね。
子どものしたことだとしても質が悪い気がします。
その年賀状を見たらしい私の母(現在アラエイティです)が、それ以降、私のバストにやたら注目し始めました。
「あんたの胸は目立つ」
「私の遺伝やろうか」
「小さくするにはどうしたらいいんかな」
などなど、とにかくネガティブな視点で私にバストのことを話してくるのです。
元々心配性なところのある母は、子どもたちが何か困ったり、悪いことに巻き込まれたりしないよう、先回りをして対応してくれることが多々ありました。
私のバストについても、万が一にでも性的な犯罪に巻き込まれないようになどと考えたからこその、あの発言なのかなとは思いましたが。
制服やワンピースを着ると、胸のところで膨らんでズドンと太って見えてしまうことがあり、それについては私も嫌だなあと思ってはいたのです。
しかし、何度も何度もそういうようなことを母から言われ続け、いつの間にか胸が大きいのは良くないこと、と思い込むようになってしまいました。
それから2年たって私が高校生になったある日のことです。
その当時、弟が難病の治療のため、隣の町の大きな病院に通っていたのですが、私もついてくるように言われました。
隣町は大都市なので帰りにお買い物もできるかもと思い、何の気なしについていきました。
病院につき、待合室で待っていると、突然母が言ったのです。
「今日はあんたも胸のこと、診てもらいな」
私は最初何のことかさっぱり分かりませんでした。
別に咳をしているわけでもないし、それ以前に弟が診察を受けていたのは整形外科です。
母が何を考えているのか分からないまま、一緒に病室に入るよう言われついていきました。
「この子、ちょっと胸が大きい気がするんです。小さくする手術とか、方法はありませんでしょうか?」
弟の診察が終わった後、母は私を指さしながら担当医にそう告げました。
えっと? 母は、何を言ってるんだ??? 胸の大きいことをここで話す必要ある???
私は恥ずかしさでまともに前を向けませんでした。
担当医は男性、母の切羽詰まったような聞き方に、言葉に詰まったようにしていたのを覚えています。
「いや、あの、大きくて困るということはないんじゃないかと...」
というような返答があり、母も「そうですかあ」と納得した様子でした。
その時は、母は私を心配してそういう行動に出たのだと思っていましたが、年齢がたつにつれ、違和感がありました。
それは子どもを心配するあまりの行動と言うにはちょっと違うのではないかと思えたからです。
「胸が大きいことって、悪なの? 母は私の胸が大きいのが嫌だったの?」と...。
もしかしたら、母は自分の理想的な子ども像に私を近づけたかっただけなのではないかと。
私をありのまま受け止めてくれなかったんだ...。
そんな不信感はアラフィフになった今でもぬぐえず、普通に会話はするものの、母のことを心から信じることは、あれ以来できずにいます。
関連の体験記:100歳で亡くなった義母。結婚して36年、義母の仕打ちが本当にしんどかった...
関連の体験記:うわっ! 実家のトイレでフリーズした私。きれい好きだったはずの母が心配になった「衝撃的な出来事」
関連の体験記:目を疑うって、まさにこのこと。教師として真面目一筋で生きてきた78歳の父がパチンコ店に...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。