<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女
年齢:45
プロフィール:45歳、高校生になった娘がいる専業主婦です。
45歳の私には高校2年生、17歳の娘がいます。
とても素直な娘で、親子喧嘩などしたこともなく、中学生の頃は学校であった出来事などを毎日話してくれていました。
そのため、娘の交友関係や学校生活のことも良く知っていました。
ところが、高校入学時にスマートフォンを買ったことをきっかけに、だんだん娘が遠い存在になってしまったのです。
スマートフォンを購入する時に、スマートフォンを子ども部屋へ持ち込まない、というルールを作りました。
しかし2020年の春、コロナの影響で学校が休校になり、毎日家で過ごす生活を送るうちに、娘はスマートフォンを持って自室に閉じこもるようになりました。
休校中、社会との繋がりを遮断されてしまった娘が可哀想でした。
何より、狭い家の中でずっと一緒にいることに私も少し窮屈さを感じていたので、とがめることもせず、いつの間にかルールはなくなってしまいました。
休校期間が明けてからも、娘は家にいる時間のほとんどをスマートフォンを持って自室にこもっています。
部屋から出てきても、いつも手にはスマートフォンを触っていて、食事中も手放しません。
私が娘に話しかけても、返事は「うん」「ううん」「別に」の3パターンしかありません。
学校生活の話も、お友だちの話も全くしてくれなくなりました。
それでも毎日「学校どうだった?」と聞く私に、ある日娘が「うるさい! 話しかけないで! うざい! 私を見ないで!」と言い放ったのです。
これまで娘を叱ることはあっても、感情的に怒ったことはなかったのに、この時は自分でもどうしようもなく腹が立って、大声で怒ってしまいました。
娘は、大声で怒る私を無視して自分の部屋へ戻っていきました。
それがまた悲しくて、私は一晩泣きました。
数日間は落ち込み、娘との親子関係について悩んでいましたが、悩んでいるうちに過去にママ友から聞いた「子育ての終着点は自立だよね」という言葉を思い出しました。
まだ娘が中学生だった当時の私には、そのママ友の言葉が理解できませんでしたが、きっと娘に付きっきりの私を見て、アドバイスしてくれたのだとこの時初めて気付きました。
「そうか、いつか娘は私から離れて自立するんだ、その邪魔をしてはいけないんだ」
そう思いました。
それまでは、どうしてあんなにひどいことをいうのだ、と娘を責める気持ちばかりでしたが、もしかしたら私の接し方が悪かったのではないだろうか、と思い始めました。
28歳で出産してから仕事をやめて子育てに専念してきた私には、娘以外なにもありません。
それを急にやめろと言われてもなかなか難しいのですが、まずは趣味を探してみようか、と思い立ちました。
今は、「学校どうだった?」は言わないようにしています。
それから推理小説を読み始めました。
読み始めると夢中になって、娘のことばかり考えていた時とは違う楽しみを見つけたような気持ちです。
娘の言葉や態度に傷つけられることはまだまだありますが、そんな時は本を持って寝室にこもり、やりすごしています。
いつか、自立した大人同士としてまた娘と楽しい時間が共有できたらいいな、と願っています。
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