<この体験記を書いた人>
ペンネーム:梅の実
性別:女
年齢:49
プロフィール:派遣社員勤め経験が多いことから、様々な職場で様々な人間関係をみる事が秘密の楽しみになりました。
3年前、派遣社員だった私はある外資系企業で働くことになりました。
勤務開始の前の週に派遣会社の担当者から、以前も同じ職場だった派遣社員仲間の女性K(43歳)も共に勤務すると連絡をうけました。
その際、ちょっと言葉に詰まってしまった私。
実はそのKはちょっと面倒な人だったのです。
以前私と同じ職場だった時に派遣先の社員さんを好きになったKは、猛アタックの末、お付き合いするようになりました。
うまくいっている間は良かったのですが、痴話喧嘩を職場にまで持ち込んでしまい、周囲に迷惑をかけたという出来事があったのです。
今回もまた同じようなことがないといいな...そんな不安を感じながら、新しい職場での仕事が始まりました。
私とKは違う部署ですが、席は近くになりました。
Kはやはり明るくハキハキしているので、社員さんからは早速好印象の様子。
何事もなく、勤務開始してから1カ月くらい経った頃、職場で何気なくパソコンの画面から目を離した時、Kがチームリーダーの男性Sさん(48歳)に話しかけている姿が目に入りました。
なにやらKの声が普段よりトーン高めで可愛くしている気がします。
案の定その数日後にKから誘われたランチで言われました。
「Sさんって仕事できるし素敵だと思わない?」
「部署が違うから仕事ぶりは分からないけど、そうなんだ」
できるだけ関心がないように、それ以上話が広がらないように答えたつもりだったのですが、Kには通じませんでした。
「すごく素敵なのよね。部署のAさん(女性の先輩・48歳)がSさんと同期でいろいろ話を聞いたんだけど、私と性格も合いそうだし、Aさんも(Sさんは)いい奴だよって言ってた」
「そ、そうなんだ...」
ランチから職場へ戻って改めてKとSさんの様子をみてみると、Kはアタック開始していたのでした。
SさんはそんなKの気持ちを知ってか知らずか、ひょうひょうとした感じで、仕事とは関係のない話をしてくるKをさらっと受け流しながら淡々と仕事をしています。
果たしてどうなることやら...職場の雰囲気が悪くなるのは嫌だな、と日々思いながら私は仕事をしていました。
しかし今回は、SさんがKと付き合い始めることはなかったのです。
KがSさんにアタック開始してから1カ月ほど経った頃、出社してきたKの様子がおかしいのです。
元気がなく、無駄話も一切なし。
ちょっと心配になりお昼休みにKに声をかけたら、今夜、予定がないなら飲みに付き合ってと言われたので行くことになりました。
仕事を終え、お店に入るなり店員に「生ビールください」と言い、きたビールを一気飲みしたKが思い切ったように言いました。
「Sさん、実はAさんと結婚する予定なんだって」
「ええ!?」
思わず叫んでしまった私。
KがSさんにお付き合いしている方いないんですか? と聞いたところ、Sさんから「あれ? 知らないんだっけ、実はAと僕は...」と言われたというのです。
Aさんに、どうしてSさんとのことを教えてくれなかったのかと詰め寄ったところ、思いもよらないことを言われたそうです。
「勤務開始して1カ月足らず、仕事もまだまだこれから覚えてもらわないといけないのに彼氏探ししているのが一目瞭然で、ちょっと意地悪したくなっちゃった」
どうやらAさんは意図的に隠していたようです。
大人の女って怖い! けれど確かに誰の目にもKのSさんに対する態度が見え見えだったからなあ。
だけど、周りの誰もAさんとSさんのことを言わなかったのはなぜかしら...とか、いろいろ考えてしまいました。
その後、1カ月ほどしてKはその職場を去りました。
彼女は今どうしているのでしょう。
懲りずにまた職場で彼氏探しをしていませんように。
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