「みんなホンマに優しいな」問題行動が多い母の主治医が、ポツリと漏らした言葉に目頭が.../中道あん

20代で結婚して、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で中道さんが見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」をご紹介。今回は施設に暮らすお母様のこと。主治医からの言葉に、中道あんさんが改めて思ったこととは。

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先日、母の主治医でもあるメンタルクリニックに、私ひとりで行ってきました。

本来なら母も一緒に受診する予定でしたが、急激に気温が下がり、とても寒さが厳しくなったこともあって、施設に電話をかけて母の受診を見合わせてはどうかと相談しました。

施設は最後まで連れていったほうが良いと言うのですが、行ったところで治るようなものでもないし、「寒さが緩む3月に行く」ということで折り合いをつけました。

施設が母も一緒に行った方がいいと言うのには理由がありました。

正月にこんなことがあったのです。
施設から「母に喘息の傾向があり、しんどそうだから救急病院に連れて行ってはどうか」と連絡がありました。

内心、「母の仮病」を疑いましたが、渋々つれていくことに。
行ってみると、当直の医師は、風邪やケガ、中にはインフルエンザなどの診察で息つく暇もないほど。

あまりに忙しそうで、気の毒になるほどでした。
2時間ほど待ち、やっとのこと診察をしてもらうと、喘息の症状はどこにもなし。

それよりも「苦しい」という理由で吸入薬を使い過ぎており、心臓の負担のほうが心配であることを伝えらえ、薬も貰えず、逆に薬の使用を止られるという有様でした。

薬の使い過ぎは、母の「苦しい、しんどい」という訴えが原因です。

私なら「寝とけばいい」とか「そんなん喘息と違う」「精神的なもの」と言い放つことができますが、それは身内だからこそ。
施設側からそんなことが言える訳もありません。

なので、ついつい薬に頼りたくなるものです。
でも、本当は頭が痛いのに、胃薬を飲んでいるようなもので、効果がある訳がありません。

以前も記事に書かせていただいたように、病気に見えるがどこも悪くはないということは、これまでに何回かありました。

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そこで施設側としては、一度精神科にでも入院してしっかり原因を究明して、母に「どこも悪くはない」と納得してもらってはいかがか、という考えがあったようなのです。

今回私がメンタルククリニックに行った際に、そのことを伝えると「精神科?」「そんなん受け入れてくれへんわ」と先生。

「受け入れてくれたとしても、治療する要素がない」と。

この先生は、母の介護認定の主治医でもあり、母に手を焼いた私の良き理解者でもあり、様々な相談もさせていただいていました。

介護認定や施設入所のアドバイスはもちろん、母がまだ元気だったころ、母が吐き出す愚痴を「そうか。そうか」とよく聞いてくれ、最後には「でも、しゃーないことやんな」と言って受け流してくださり、本当に助かっていたのです。

「先生、うちの母親はやっぱ精神疾患でしょうか?」と聞くと、このような答えが返ってきました。

「まぁ、はっきりとは断言できんけど、強烈な個性の持ち主やということは確か」

「元気なころは、ここでもたいがいなモノの言いようやったからな」

「その強烈な個性が何かしらの障害にあたるのか。もしかしたら調べたら分かるかもしれんが、そこまでする必要があるんか?ということやね」

「分かっていることは、施設がかなり手をやいているということ。そろそろ転出先も考えて行動せなねぇ」

そんな話の終わりに先生がぽつりと「それにしても、みんな優しいな」「お母ちゃんの為に、みんな色々と考えてくれる」「ほんまに優しい」とおっしゃって、つい目頭が熱くなりました。

本当にその通り。

不摂生や問題行動が重なった母は、施設に入所しなければ、とうの昔に天に召されています。
かかりつけの病院でもあきれられるほどでしたが、母の言い分をうのみにせずに投薬を制限してくれたり、施設も手を替え、言葉を替え、接し方を替えて母の愚痴や不安を受け流してくれています。

他にも母にお世話をしてくれる人はいます。

なぜ、あんな人が、他人に迷惑をかけつづけても尚、生活の質を下げずに生きていけるのか本当に不思議でならないのです。
「あんな、お母ちゃんな、施設で一番好かれてんねん」

「職員さんな、みんな私が一番好きやってぇ」

母のこの勘違いが周りを巻き込んでいくのでしょうか。
深く皆さんに感謝したメンタルクリニックでの出来事でした。

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中道あん

「女性の生き方ブログ!50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため正社員として働いていたが、2019年2月「好きなことを仕事に」とフリーランスに転身。えいっと行動力を発揮して夢を叶える女性をつくるEitonessを提唱、ブログ講座やコミュニティの運営を 行っている。現在、社会人の長男、長女と同居。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしている。

中道あんさんのブログ:アラフィフの生き方ブログ|50代を丁寧に生きる、あんさん流

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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

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