<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろし
性別:男
年齢:42
プロフィール:2歳年下の一人娘を嫁にもらい、嫁の実家の近所に住まいを構えた「半マスオさん」状態での生活も15年になります。
箱入り娘と言うほどではないが、一人娘として大事に育てられた娘を嫁にもらいました。
娘と離れるのはつらい、お母さんの近くにいたい、と言う妻と義母(65歳)のたっての願いで、妻の実家から車で5分とかからないところに家を構えました。
共働きで夜勤もある妻のことを申し訳なく思うのか、義母からは毎日のように夕食のお誘いが。
実家に入り浸るようになって15年、気分は婿養子です。
ただ、1つ困ったことがあります。
義母とその姑である義祖母(嫁にとっての祖母です)、1世代上の「嫁姑バトル」に私がたびたび巻き込まれるのです。
「その煮物、どうだい?」と妻の祖母(89歳)に言われて「はい、おいしいです!」と返す私。
孫娘の夫である私は、義祖母にとっても孫のように感じるのか、とてもよくしてくれます。
「(義母が作った)こないだの煮物は今一つだったから、申し訳なくてね。やっぱり煮物はまだ(義母に)預けられないね」と義祖母は聞こえよがしに言い放ちます。
高齢ながらまだ元気で家事をこなしており、義母は見習い扱いされているのです。
食べたものを下げようと台所に行くと、私のもとに今度は義母が...。
「ひろしさん、ダメよ、おばあちゃんのものをおいしいだなんて。ちょっと味が古臭いですね、ぐらい言ってもらわないと......」と、耳打ちしてくるのです。
「はあ......すみません」と一応謝っておくと、「炊事洗濯、何もかも自慢だらけ。たまにはやっつけておかないと図に乗っちゃって困るんだから」と不満げです。
そんなこと言われても困ります、と言いたいところをぐっと抑えて「里芋のグラタン、おいしかったです。ソースも自家製ですか?」と義母の料理を持ち上げると「そうなの! 若い人にも食べやすくしないとねえ、定番の料理ばかりじゃ飽きちゃうでしょ?」とこれまた聞かせたい相手は遠くにいるとばかりの大声で。
ため息混じりに茶の間に戻ると義祖母がお茶を入れながら「さあ、漬物でもつまみながらゆっくりしてね。やっぱり日本人には和のものがいいわよねえ」と、どうやら二回戦のスタートのようです。
何度も聞いた話を義祖母に聞かされながらしばらくお茶をしていると、片づけを終えた義母が茶の間に戻ってきました。
「お母さん、また孫の昔話ですか? ひろしさんも飽き飽きしてますよ」「そんなことないわよ。楽しい話は何度でもいいもんさ。ねえ、ひろしさん?」急須をもってお茶を入れながら同意を求める義祖母に「はあ、まあ......」と文字通りお茶を濁します。
「そろそろ娘も帰ってくる時間じゃない? あまりお引止めしてもね」と促す義母に、こちらも切り上げ時と腰を上げます。
玄関まで見送りに来た義母に「あまり話に付き合わなくていいのよ。ひろしさんが帰った後も調子に乗って喋り続けるんだから。ああ、そのお話はもう伺いましたね、って、ぴしゃりとやっつけてやってくださいね」と焚きつけられました。
お互いにじかに言い合っている姿は見かけません。
私をダシにして、嫌みを言い合って溜飲を下げているのでしょう。
「これも実家の平和を守るため」と思ってあきらめてはいるのですが、義母と義祖母の「嫁姑バトル」に巻き込まれるのはきついです。
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