<この体験記を書いた人>
ペンネーム:パンジー
性別:女
年齢:40
プロフィール:保育園の子どもが一人いるワーキングマザーです。
数年前に亡くなった母の話です。私が小学生の頃、母は著作が沢山あるとある占い師さんにハマっている時期がありました。毎年毎年家族の運勢を調べては、この年は父の運勢がよくないから家を購入するのはよくない、この年は私の運勢がいいからきっとピアノも上達するなど、今思えばなんでも信じ切っている様子でした。
もちろん家を購入するときもこの占い師さんの占い通りに動いていた母。まず物件探しは方角を見て、そして購入時期は父、私の運勢のいいときと思案を重ねたようで、やっと希望通りの家を見つけたときの母の顔には、達成感が満ち溢れていました。
中古でしたが、ついに持ち家を手に入れた我が家。ですが、占い頼りだったので、いろいろと問題もありました。
まず、引っ越しの時期。運気のいい時期にと決めたため、私は小5の6月という半端な時期に転校しました。さらにもっと悲しい話なのですが、その時期がバブルの弾ける直前だったのです。家を最高値のときに買ったようなもので、今や実家の資産価値は当時の10分の1ほどになっています。
母の占い頼りはまだ続きました。
思春期になり私が服を買おうとすると口を出してきます。私にとって緑色は運勢的によくないそうで、緑の服を買おうとするものなら大反対されました。
中でも一番いやだったのは、初めて彼氏ができたときのことです。
彼の誕生日を聞かれてうっかり答えてしまったところ、私との相性を占ったようで「その男とつき合うといいことがない、別れなさい!」と一言。会ったこともないのに、誕生日だけで決めつけるなんてとうんざりしました。母と大げんかをしたのですが、結局別れたと嘘をついてつき合い続けました。
そんな母の「占いドハマリ期間」は約12年ほどで終わりました。
12年がたち、私が社会人になったころ「(占い師が)本によって言っていることが違うのよね」といい、その後一切信じなくなりました。あんなに信じていたのに、最後はこんなにあっさり信じなくなるんだ......と拍子抜けしました。
その後の母は何十冊とあった占い師さんの本を捨て、いつもと変わりがないように毎日を過ごしていました。強いていえば、いちいち運勢を気にしなくてもよくなったので、のびのび、自由に過ごしているようにも見受けられました。占いが助けになることもあるでしょうが、母は信じすぎてしまったがゆえ、母自身を縛るものになってしまっていたのだなと感じました。
当時、占いを信じなくなった母に伝えたことがあります。「あの最初につき合った彼氏、あのとき言われた通り本当にひどい人でいいことなかったよ」と。その占いはドンピシャだったんです(笑)。
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