<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ままやん
性別:女
年齢:51
プロフィール:75歳の母と同居しています。母は近くに住む古くからの友達とどこに行くのも何をするのも一緒です。
75歳の母には、近所に住む女友達がいます。私が生まれたばかりの頃からのつき合いらしく、それが今でも続いています。私は小学生のときに今の家に引っ越してきましたが、その友人も近くで建て売り住宅を購入し、子どもを連れて引っ越してきました。
彼女は母子家庭で息子さんがいますが、最近はあまり仲が良くないよう。「仕事が忙しそう」と言って、自分の息子に身の周りのことは頼みません。体が不自由になってきているので、病院に行ったり買い物に行ったりするのが不便なようですが、遠慮して頼まないようなのです。
母はそんな様子を見て「できる範囲で助けてあげたい」と思っているよう。自分が出かけるときには必ずと言っていいほどその友人に声をかけて一緒に連れていきます。
以前は私も「ただ仲の良い友人同士、お茶に出かけたり買い物に出かけたりする程度のこと」と文句を言うつもりはありませんでした。でも最近になって、こんなつき合いをいつまで続けるのだろう......と気になり始めたのです。
母は今でも週の半分ほど働きに出ています。一日数時間ですが、やはり年齢的にもギリギリで、帰って来るととてもしんどい様子。でも「働かせてもらえてありがたい」といって続けています。
そんな状態なのに、帰って来ると彼女を連れて買い物に出かけたりします。母の「自分の用事のついで」なら何も言いませんが、最近は友達のほうから連れて行ってほしいと電話がかかってくることがあります。「仕事の疲れもあるし、たまには断ってもいいんじゃない?」と言うのですが母はそれができません。
せっかくの休みの日でも、朝から電話があり、買い物の誘いがあります。誘いと言っても母が乗せて行かないといけないので、見ていると「足として使われている」ように思えてしまうときがあります。それでも母はほかに頼む人がいないからだと言って断りません。
車の免許を持っていない彼女は、母に遠慮がちに「行きたいところ」を伝えてくるようですが、あとでどこに行ったのか聞くと驚くほど遠い所だったことも......。病院や買い物だけでなく、テレビで見たランチが人気のお店とか行列ができるご飯屋さんなどに乗せて行くこともあるんです。
75歳ともなると、最近ニュースでよく見る高齢者の運転ミスによる大きな事故なども他人事ではありません。その友人を乗せているときに事故を起こしたりしないか心配もしてしまいます。しかも母の用事ではないのに出かけて何かあったとしたら......と思うと、やはりそろそろ遠出はやめてほしいし、「誰かを乗せて出かける」ことも控えてほしいと思うのです。
母は決まって「あの人はほかに頼る人がいないから」と言いますが、母も同じ高齢者です。体の不自由な友人の車の乗り降りを手伝ったり、買い物の重い荷物を持ってあげたり、その友人より小柄な母が介護に近いことまでするようになってきていると感じています。
母の優しさで、必ずしも悪いことではないと頭ではわかっているのですが......このままでいいのかとても心配です。
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