<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女
年齢:49
プロフィール:母とおだやかな二人暮らしの日々。これまで入院歴なしの健康優良児でした。
健康そのものだった私が、突然胸の痛みに目が覚めて緊急搬送されたのは、日曜日の朝でした。休日だったので、紹介されたのは家から距離のある病院。一人で心配になった母は、偶然その病院の近所に住んでいる友人Aさんに連絡したようで、病院に着いた時にはAさんは既に待合室にいらっしゃいました。そのまま私も母もAさんも救急処置室に連れていかれ、しばらく待たされている間も母とAさんはずっとそばに居てくれ、私が緊急手術でICUに移動した後も、一緒にICUまで来てくれました。
そして入院の同意書には保証人が2名必要ということで、そこに居たAさんは急遽「私のおばさん」という体でサインしてくれました。そこまでは、私も母もAさんには感謝していたのです。
それから毎日、Aさんは病院に現れては母と談話室で長い間過ごしていました。母は毎日私を見舞いに来ます。Aさんが現れれば、母はAさんのお相手をしないわけにはいかないのですが、私の居たICUは男女一緒の大部屋ですので、そのたびに談話室に連れて行ってジュースをおごってあげていたようです。Aさんが私と話す時間は1分、母と談話室に居るのは3〜4時間。ジュース付きで暇をつぶせるので、Aさんにとっては格好の機会だったのでしょう。
それだけならまだしも、私の病状説明にまでAさんはついてきてしまいました。病状説明なんて家族が知ればいいことなので、できれば他人のAさんには席を外してほしいところ。でもAさんは「"おばさん"だからね」と、当然の顔をしてついてきます。しかも話をわかっていないのに、途中で「それって......」と口をはさむ始末。実は手術説明の時も、ちょうど母が席を外していた時だったのでAさんが代わりに一緒に聞くことになったのですが、内容を全然理解しておらず、母にも手術説明のあったことさえ話していなかったそうです。その無神経さに、母と2人でイラっとしたこともたびたびでした。
しまいには、面会時間外の午前中にいきなり病室に訪ねてきました。運悪く、その時私は病室を引っ越している真っ最中。同室の方に別れを惜しまれなかなか立ち去れず、荷物だけ先に新病室に移動していて、やっと自分が移動していたその時に声をかけられてしまったのです。
「ぴっぴちゃ~ん、お母さん居る?」
「居ませんよ、今部屋引っ越し中なので、荷物散らかってて」
「あらそうなのー大丈夫よ、私見ないから」スタスタ......
「アラーきれいな部屋ねえ(ジロジロ)」私より先にズカズカ......
「ほら、ここからウチが見えるのよ、あそこだから私の家(窓の外を指さす)」
「お母さん来たら教えてね、私またここに来るから」
「あの~、今日母は来ないんです(嘘)」
「そうなのー。ねぇねぇ退院の時は絶対知らせてね、駆けつけるから!」
「はい(嘘)、いつもありがとうございます!」
......退院は母と2人で行い、穏やかに帰宅しました。最初こそ助かったものの、「野次馬で、無神経な人だったなんてねえ」と、母もうんざりした様子でした。
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