<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろえもん
性別:女
年齢:54
プロフィール:この世の果てのような海辺の町で猫4匹と夫と静かに暮らす関西のおばちゃんです。
51歳の夫の暴言、暴挙があまりにも理不尽すぎて、怒りのあまり思考が固まってしまいます。
例えば、夫がお皿をうっかり落として割ってしまったとき、何を思ったのかヒステリーをおこし、2枚目を床に叩きつけて割ってしまいました。『え? なんで?』です。喫茶店で私のコーヒーをこぼしたときも「お前が早く飲まんからや!」と、ただコーヒーが自分の靴にかかったことだけを気にしていました。「ごめん」とひとこと言えばすむことなのに、結婚して13年、だだの一度も謝られたことがありません。
夫は何にでも自分の考えを押し通すので、食器の収納についても口を出されます。
「軽いプラスチックを吊戸棚に入れたほうがいい」と言っているのに「取りにくいやろ!」と陶器のお皿を全部吊戸棚に移し替え、数日後ズシャーンという音ともに全長2mの棚ごと全部のお皿を粉砕。ここまできたら夫の暴挙も実質的な被害に発展です。
また夫が「これ食う?」と聞いてきたときは、「あとで食べるかも」と答えます。「食べない」と答えてやっぱり食べたとき「さっき『食わん』って言うたやろーが!」と烈火のごとく怒り出し、「食べる」と答えて食べなかったときは「『食う』って言うたやろ!」と怒鳴るからです。とにかく怒鳴られないように神経をすり減らす毎日です。
ただ夫は、相手を選んで暴言暴挙に及んでいるので、やさしい人には偉そうにして、自分より強い人間に対しては召使のように卑屈になれます。
出世してお嬢様と結婚した次男のお兄さんから「うちの子の前で下品な言葉遣いはやめろ。『食う』じゃなくて『食べる』と言え!」と言われると、51歳にして皆の前で笑いものされても「ごめん」と言います。
また、長男が父親の遺産分割を勝手に決めてしまい、他兄弟2人が不服を申し立てても、「僕はお兄さんに取り分をあげる」と服従。夫は4人兄弟の末っ子で、常に台所に近い端っこに座らされ、「マヨネーズ取ってきて!」「ケチャップ!」と何回も食事中に立ち上がり、取りに行かされたそうです。まさに完全服従の幼少期が夫のトラウマになっているのかもしれません。
ただ、私がこの理不尽さに耐えられるのは、以前住んでいたマンションで起きた火災の光景を思い出すからです。夜中に目が覚めたときは扉の外もバルコニーも煙に覆われ逃げられない状態で、一酸化炭素中毒を防ぐために床に這いつくばった瞬間、私の目に入ったのは、いつも怒鳴っている夫が愛猫を抱きしめて静かにシクシク泣いている姿でした。『えーっ! 泣く?』と呆れましたが、あのときの夫はまるで5歳の少年だったのです。
『虚勢を張らないと心が折れてしまう』夫は、つい最近も家具を乱暴に動かし、立てかけてあったワイヤレスクリーナーを倒し、ヘッドを折りました。「付け根の部分にゴミが溜まってたからや!」と叫び、どこが壊れたのか調べる私の背後から「折れた部分に詰まってるゴミを取り出せ!」と大声で怒鳴る夫。この人がいなければどれだけ心穏やかな人生が送れるだろうと思います。
私は怒りが頂点に達すると黙り込むのですが、その様子を見て『ヤバい』ということを察知した夫は、「しょんぼりしてるから慰めたって」と猫を押しつけてきます。そのとき、私と猫の眉間にはきっちりと3本ずつ皺が入っています。正直、『アンタのヘッドのゴミを取り出せや!』と思います。
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