15年間別居していた父が突然の帰宅。かけら程度の愛情が繋いだ夫婦関係

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ペンネーム:うずら
性別:女
年齢:53
プロフィール:子供のころ、父母の仲は順調とは言えませんでしたが、離婚はしませんでした。それはお互いかけら程度の愛情があったからかもしれません。今回は、そんな両親が仲直りした時のお話をご紹介します。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

私が子供のころ、うちの両親は二人とも気が強く、毎日のように喧嘩をしていました。夫婦喧嘩が始まると、取っ組み合いになるほどの大騒ぎ。原因は色々ありましたが、結婚生活を続けているとお互いに許せないことが蓄積していくようで、いつもちょっとしたことで喧嘩になっていました。
気付くと父が帰ってこなくなり、まるで母子家庭のような生活でした。それでも何年かに一度、父は帰って来るのですが、やはりまた母と喧嘩をして出ていくことの繰り返し。最終的には父は東京に事務所を借り、そこに住みながら新しい事業をスタートしました。
父が出て行ってからの母は、父の悪口ばかり言っていました。私としては離婚したほうが平和なんじゃないかとも思っていました。そんな状態で約15年が過ぎ、両親に転機が訪れたのです。クリスマスの日に私が実家に帰ると、なぜかそこには父がいたのでした。

「どうしたの?クリスマスに家に帰ってるなんて珍しいね」と言うと、父は母からの電話で帰ってきたと言っていました。その内容を聞いてびっくりです。母は父に「帰ってこないの?寂しいじゃない」と言ったそうです。どうして突然母がそのような事を言ったのか、いまだに分からないのですが、おそらく心のどこかで仲直りをしたいと思っていたのでしょう。

父は母の電話を受けて慌てて仕事を終え、すぐに家に帰ったそうです。「お母さんがそんなことを言うなんて、初めてだったからさあ」と。きっとすごく嬉しかったのでしょう。

そして、そんな父が珍しくオシャレなセーターを着ていたことにも驚きました。
「あれ?どうしたの?そのセーター」と私が聞くと、父は「これはねえ、お母さんが買ってくれたんだよ」と、満面の笑み。そんな父の笑顔を、私は何年ぶりに見たでしょう。母の心の中で何があったのかは全く分かりませんが、それから私の両親は急に仲良くなり、再び冗談も言い合える関係になっていきました。

父は仕事の都合があり、毎日家から通勤することが不可能なため、その後は週末だけ家に帰る「週末婚」をずっと続けるようになりました。「週末婚」は両親にとってお互いに自由な時間を与え、ちょうどいい距離を保たせてくれたようです。

父は平日に仕事をし、週末には母の手料理を食べられると楽しみにしていました。二人は週末になると仲良く夜中まで韓流ドラマを観て、離れ離れだったそれまでの時間を埋めていきました。

私がそんな両親から教わったことが一つあります。それは「最後に幸せになれれば、それまでの辛い記憶も幸せな過去に塗り替えるころができる」ということ。父はもう他界してしまいましたが、死ぬまでずっと母と幸せに過ごしていて、娘である私も幸せな気持ちになりました。

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