<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:59
プロフィール:オリンピックの日本人の大活躍は記憶に新しいところ、特に若い世代の活躍には好々爺よろしく目を細めた方でした。
2021年の10月頃、コートを見ようと思い、近くの少し大きな街まで出かけた休日のことです。
コロナの感染が大きく報じられていた頃でしたので、田舎町とは言え、いつもの賑わいよりは寂しげな歩道を歩いていました。
「どいて! 危ないよ!」
突然、素っ頓狂な若者の声が聞こえました。
突然のことだったので、どこから聞こえたかもよくわからず、反射的に店の建物のある方に身を翻した瞬間、すぐ脇をスケートボードの男の子(中学生ぐらい?)が駆け抜けました。
特に悪びれる様子もなく過ぎ去っていく姿を見ながら(危ないのはどっちだ)と胸をなでおろしました。
改めて周囲を見回すと、グループなのでしょうか、数人の同年代の子どもたちが歩道の上を縦横に滑走していました。
特に正義感が強い方ではないのですが、自分がヒヤッとしたこともあって、これはちょっと言ってやらないと、と意を決しました。
「君たち。危ないから、ここで滑るのは止めなさい」
声をかけたところ、子どもたちは、一旦滑るの止めて、キョトンとした表情でこちらを見ています。
「そんな決まり、あるのか?」
後ろから大人の声がしました。
声の方に振り返ると、子どもたちの1人の親(40代ぐらい?)のようなのですが、とんでもないことを言いだしたのです。
「練習場所がないから公共の場所で練習してるだけじゃないか」
「いや、しかし、ぶつかったりしたら危ないでしょう?」
「どこにもスケボー禁止とは書いてないよ。子どもらだってヘルメットしてるし、安全には気をつけてるさ」
「しかし実際、今もぶつかりかけて...」
「でもぶつからなかったでしょ? それだけ注意してるし、人通りも少ないってことでしょ」
「しかし、常識で考えても...」
「オリンピック種目にもなってるスポーツだよ? 大活躍した選手たちだって初めは公道で練習してたって言うんだから、おおらかな目で見てやってもいいんじゃないの?」
男性はさも当然の権利と言わんばかりです。
「選手たちだって、いろいろと周囲にも働きかけて練習場を確保したっていうじゃないですか。公道での練習が問題ないんだったら、選手といえどもあえて練習場を求めなかったんじゃないですか?」
「そりゃこいつらだって一流になれば、練習場だって確保できるだろうけどねえ、今はまだ無理なんだ、分かってやってよ」
そううそぶくと、その男性は子どもたちに目配せをして、練習を再開させてしまいました。
このまま言い争いにでもなって大事になるのもどうかと思い、その場を立ち去りました。
少し離れて振り返ると、相変わらず歩行者と交錯するように滑走している様子にヒヤヒヤしてしまいました。
禁止とあろうがなかろうが(道交法など調べれば、規制するような条文もあるのかもしれませんが)、危険があるのは明らかです。
目的が正しければ手段は問わない、というようなあり方を子どもたちに見せるよりも、限られた環境の中でも工夫して成果を上げていく努力を教えてあげたほうがいいのになあ、と思いました。
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