モラハラDV夫から逃げて貧困母子家庭に。息子の「大学受験」はとにかくお金がかかったけど.../chii

娘が18歳で家を出た後、モラハラDV夫と中学生の息子との暮らしは悲惨でした。

反抗期の息子とモラハラDV夫はしょっちゅう取っ組み合いの喧嘩をしていたので、いつか事件に発展するのでは?とハラハラしたものです。

【前回】「苦しい、早く楽になりたい」受験に失敗した息子が「受験鬱」から脱出できた「意外なきっかけ」

モラハラDV夫から逃げて貧困母子家庭に。息子の「大学受験」はとにかくお金がかかったけど.../chii pixta_39475814_S.jpg

高校受験を邪魔した夫の元から、私と息子は逃げることを選択したのです。

高校受験の真っ盛りに準備をして、二人で脱出しました。

そして始まった貧困母子家庭の暮らし。

息子の口癖は「親父みたいになりたくない」で、目指すは貧困の連鎖を断ち切ること。

お金に余裕がない中で、決めたのは国公立大の受験です。

一所懸命勉強すれば結果はついてくると、大学受験に関しては楽観的な私でした。

ところが、大学受験とはそんなに甘いものではないことを現役時代は思い知ることになりました。

塾も行かず、自己流の勉強方法で、結果的に大学受験は失敗に終わりました。

そして一年の浪人生活に突入し、過去の失敗から、借金をしてでも塾へ行かせることにしたのです。

塾の費用、模試代、参考書代は、カードローンでお金を借りました。

その後の大学の入学金や、学費はどうしよう?と思った時に、いろいろ検索してみました。

その中で、国の教育ローンというものがあるのを知り、問い合わせしてみました。

地元の銀行や信用金庫も教育ローンがあったけれど、国の教育ローンの方が、圧倒的に金利が低いのです。

母子家庭だし、低所得者だし、審査が通るかわからない。

だめでもともとだとの思いで、申し込みをしました。

必要な書類をそろえて提出した所、審査が通り、大学入学資金として100万円を申し込みました。

振込みの前に必要だったのは、大学の合格証書です。

二回目のセンター試験でも、息子は本来の力を出し切れなかったのですが、なんとか一つだけ私立大の合格をいただきました。

合格の文字を見て、とにかくホッとしたのを覚えています。

2月に入り、私立大を5校ほど受験したのですが、当時、受験費用は一校受けるのに3万円。

お金が飛ぶように出ていきました。

ところが、私立大5校はことごとく落ち、全滅してしまったのです。

第一希望だった、国立大学の前期試験も不合格に終わり、胃がキリキリと痛くなるような日々を送っていました。

残すは、3月に実施される国立大学の後期試験。

息子はこれにかけて、必死に勉強していました。

国の教育ローンに関しては、一つ合格していた私立大の合格証書のコピーを送り、100万円が振り込まれました。

ここで驚いたことは、私立大の入学金納入の締め切りが、国立大後期試験の合格発表の前だったことです。

国立大後期の結果を待っていてはくれないのです。

後期試験で合格することに確信がもてなかったので、私大に入学金30万円を納入しました。

その大学に行かない選択をしてもお金はかえってきません。

そんな厳しい世界だということは初めて知りました。

奇跡が起きない限り、合格は厳しいと言われていた国立大の後期試験でした。

倍率もかなり高く、私の中ではあきらめもあって、私立大に進むことを覚悟していました。

私立大の理工学部、いったいいくら奨学金を借りることになるのか?そんなことも考えていました。

ところが奇跡は起きたのです。

後期合格発表の日のことを、今でもはっきり覚えています。

私は仕事だったので、息子からの連絡を昼休みに見ました。

合格したよ!

その文字を見て、涙があふれ出て止まりませんでした。

全身が、震えていたかもしれないです。

仲の良い同僚が「おめでとう」と言い、抱きあって喜んでくれました。

私はその時初めて、神様はいるって思いました。

私立大に納入した30万円はもどってこなかったけれど、何よりも学費の安い国立大に合格出来て、本当にホッとしました。

教育ローンの借金返済は、私が64歳になる来年秋まで続きますが、借りたことに後悔はしていません。

もちろん、この100万円だけでは足りないので、残りの費用は息子自身が奨学金を借りています。

ひとり親で低所得者なので、年間の学費は3分の1免除が通り、給付型奨学金もいただいています。

国の方も、貧困の連鎖を断ち切ることに力を入れており、これは本当にありがたいことです。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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