モラハラDV夫の元から逃げて9年目の60代シングルです。
ちなみに離婚は成立しておらず、熟年別居中です。
今まで、結婚直後から23年間の結婚生活について、体験談を書いてきました。
【前回】父親からDVを受けて育った子どもたち。荒れた時期を乗り越えて、大人になった今思うこと
2年前から、息子が一人立ちをしたために、ワンルームマンションで一人暮らしをしています。
牢屋に入れられているような結婚生活から抜け出し、自由を満喫していました。
好きな時にご飯を食べて好きな時にお風呂に入って、好きな時に眠れる。
自由って最高!っと思っていたのですが。
63歳になった今、一人暮らしで大変だった体験を書きたいと思います。
10月中旬、前日の仕事の疲れが残っていた私は、午前中はベッドから起き上がることができずに、ゴロゴロしていました。
お腹がすいて起きて、冷蔵庫を見ると、食材が何にもなかったのです。
仕方なくボッーとした頭で買い物に行くことにしました。
Tシャツに短パン、つっかけサンダルという軽装で、自宅マンションの前で転倒してしまったのです。
もう本当に3センチくらいの小さな段差につまづいて、気が付いた時は、コンクリートの上でうつぶせになっていました。
膝を擦りむいて血が出ていたのですが、とっさに立ち上がり、自分の部屋にもどり横になろうとしたのです。
打撲かな? 寝ていれば治るでしょと軽い気持ちでいたのですが、気が付くと右手があがりません。
これはおかしいと、整形外科に行くことにしました。
財布を見ると、3000円しか入っていなくて、仕方なく徒歩10分の銀行のATMにお金をおろしに行きました。
右手はブラーンとしたままです。
近所の整形外科に行って、すぐにレントゲンをとってもらうと、見事に骨折していました。
S字型に割れていて、複雑骨折だということでした。
骨の転位がなく、手術はさけることができたのですが、主治医は全治三か月とサラリと言いました。
全治三か月?
そこで、ことの重大さに気が付いたのです。
ギブスで固定してもらい帰宅。
全治三か月? 年内は仕事ができないってことだ、どうしようと青くなりました。
職場のマネージャーに電話し、ケガの状況を話しました。
通勤の途中だったら、労災が降りるし、社会保険に加入していれば、傷害手当がでますと説明を受けたのだけど、残念ながらどちらも対象外だったのです。
自分の公休日に転び、社会保険加入は11月の予定だったからです。
三か月収入がなくなるのは、まずいでしょと思って、よし頑張って早く治そうと意気込んだのですが、そんなに甘いものではありませんでした。
最初の一週間は、痛くて眠れず、左手だけでは何もできずに、イライラした毎日が続きました。
整形外科の先生から、「家事は無理なんで、家族に手伝ってもらってください」と言われたけれど、「家族はいません、一人暮らしなんで」と答えられなかった私です。
息子がすぐに来てくれて、買い物と食器洗い、洗濯をやってくれたのですが、娘は仕事をしているうえ、小さな子どもが二人いること、そして二時間かかる遠方に住んでいるために、頼ることができなかったのです。
子どもたちが近くに住んでいれば...と思いました。
とりあえず、食材はネットスーパーで頼み、その他のことは左手でなんとか一人で頑張りました。
二回ほど、遠方に住む妹が手伝いに来てくれたのですが、訪問介護ヘルパーをしている妹に、髪の毛を洗ってもらった時は、最高に気持ち良かったです。
その後、友人から65歳になっていなくても、特定疾患に該当すれば、介護サービスを受けれるかもと聞き、行政に問い合わせてみることにしました。
骨粗しょう症で、骨折は特定疾患に該当していたのです。
行政は、冷たい対応でした。
介護認定を受けるのは一か月先になるし、あなたは該当しないと遠回しに言われたのです。
仕方ないとあきらめ、自分一人で頑張ることにしました。
骨折して一か月たったある日、リハビリがスタートしたのですが、骨折した右腕がまったく機能していなかったのです。
一か月、ギブスで固定し、筋肉がかたまったためです。
手がつかえるのは三か月後、完全に元にもどるのは、半年後だと聞き、ただ茫然としました。
とりあえず、少しばかり貯め始めた老後資金で、生活していくしかありません。
副業でやっているネットの収入も多少はあるけれど、生活していくにはとても足りません。
近くに夫が住んでいるのに。 年金がなくて生きていくだけで必死な夫に、助けを求めることができないことに悲しくなりました。
何か困ったことがあったら電話してくる夫、夏以来、連絡が途絶えています。
お願いだから今は、電話してこないで、今は自分のことで精一杯だからという気持ちでいます。
今日、やっとギブスがとれて、あとはリハビリでどこまで戻せるかにかかっています。
骨の痛みはなくなったけれど、右手は相変わらず、30度くらいしかあがりません。
老後は、やはり、子どもたちと妹が住む東京に引っ越さなければ無理かもと思った、痛い体験談でした。
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