8年ぶりに会った別居中の夫の「変わり果てた姿」。白髪で痩せこけた頬...まるで別人だった/chii

DVもあり、モラハラもあり、経済的DVもあった夫の元から逃げて9年目になります。

現在、ワンルームマンションで一人暮らしをしています。

パートなので生活は楽ではないけれど、それなりに食べていけています。

夜に外出したり、時間を気にせずに出かけることができ、自由を満喫しています。

【前回】モラハラDV夫から逃げて「熟年別居」を決意するまで。経済的には大変だけど...私に後悔がない理由

8年ぶりに会った別居中の夫の「変わり果てた姿」。白髪で痩せこけた頬...まるで別人だった/chii pixta_71615554_S.jpg

昨年の暮れから、ずっと音信不通だった別居中の夫から、たびたび電話がかかってくるようになりました。

別居当時は怖くて仕方なかった夫からの着信ですが、今は怖くない。

でも、やはり嬉しくはありません。

いったい何の用があるの?という思いが強いです。

寒かった暮れの電話では「俺はもうだめだ」と泣き言を言っていました。

息を吸うのが苦しいらしい。

そして、築50年の家には帰らずに、車の中で過ごしていると聞きました。

何日もお風呂に入っていないから、車の中が臭いと言う。

夫は保険証を持っていないので、病院には行けません。

国保を滞納して、もう30年経つかもしれないです。

年金も未加入だったので、70歳の今、どうやって食べているのかまったくわかりませんが、細々と自営業を続けているのだと思います。

病院にも行けず、寒い空の下で車中生活。

いつ野垂れ死にしてもおかしくないと、その時は思いました。

夫にもプライドが残っているのか、お金のことはいっさい言いません。

まさか、私や子どもたちにたかるなんてことはないよね?と内心ハラハラしていたのです。

俺はもうだめかもしれないと言う愚痴の電話の後、再び着信がありました。

身なりが汚くて買い物にも行けないから下着を買ってくれないか、おまけにボロボロの作業着をぬってくれと言いました。

なんで私が?と思ったけれど、一応いいよと答え、さっそく下着を数枚購入し、夫から連絡を待っていたのです。

会う約束をしたのに二回もすっぽかされ、内心ホッとしている自分がいました。

それから半年。再び、夫からの着信。

「俺のキャッシュカード、持っていっただろう、返せ」ととんでもないことを言い出す。

妄想なの?なんだかわからないけれど、一方的にわめきちらしていました。

私が持っているわけないでしょ? と、何回も説明し、やっと電話をきりました。

今年8月、今度は弱々しい声で、「下着買ってくれたのか? 持ってきてくれないか?」と。

嫌だなという気持ちはあったけれど、夫と会う約束をしました。

商店街のコンビニの前で待ち合わせ、トラックの中で待っていた夫。

遠くから夫の車が見えてドキドキしたけれど、冷静を装い、車に向かいました。

運転席に座っていた夫は、まるで別人だったのです。

白髪の長髪で、頬はやせこけ、ごぼうのような細い腕をした老人がそこにいました。

まるで、浦島太郎。

変わってしまった夫を見て、すごくショックでした。

下着数枚と、家にあったお茶を渡すと夫は「ありがとう」と言いました。

同居中は、夫からありがとうなんて言葉を聞くことはなかったのに。

とくに会話もせず「じゃあね」と言って、その場を去ってから、私は涙があふれました。

8年の歳月が流れて、おじいさんになってしまった夫が憐れで仕方なく、夫から逃げだした罪悪感も感じてしまいました。

結婚してから受けたモラハラとDV、全部忘れたわけではないのですが、過去のことを全部許している自分がいます。

これも8年という月日が流れたから、許せたのだと思います。

その後、また着信。

今度は銭湯の場所を調べてくれと言う。

自宅に帰るようになったけれど、近所の銭湯には行きたくないそうです。

スマホで調べて、銭湯の場所を教えました。

夫は、新しい下着を手にして、銭湯に行く気持ちにもなったのだと、ホッとしました。

息子には、ご飯を食べに行こうと電話があったらしいです。

変わり果てた父親を見て、息子もショックを受けると思うのですが、父親に会うのは嫌ではないとのこと。

会わない方がいいのでは? と複雑な心境です。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP