<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さぽらぼ
性別:女
年齢:49
プロフィール:母と2人暮らしの独身OL。
母が75歳のときのことです。急に咳がひどくなったので、近所の病院に行ってもらったところ「肺炎のなりかけ。まだ入院しなくていいけど、薬を飲んで安静にしてください」といわれました。そこで母は真面目に薬を飲んでいました。
しかし母は、たまに薬が合わないことがある体質。そのとき処方された抗生物質がまさにそれだったのです。母は夜中に七転八倒!
急いで真夜中に緊急病院に行ったものの、薬に関しては「処方した病院の指示が無いと何もできない」と点滴のみ。朝になって、かかりつけ病院と連絡が取れ、緊急入院させてもらいました。
翌日病室へ行ってみると、すっかり元気にはなったものの、疲れ切った表情の母。開口一番「もう家に帰る」。既に看護師さんにも主治医にも「帰る帰る」連発済みで、脱走寸前だったそうなのです。しかし、主治医と看護師さんになだめすかされて、もう1泊だけすることに......。
母は今まで何度か入院経験がありますが、それほど退院したがったことは一度もありません。確かに家にいる方がゆっくりできるけれど、そんなにまで、なぜ?と驚きました。
その病院は、母世代の患者さんが多く長期間入院している病院でした。そして母がいうには、同室の皆さん含め、病練全体の患者さんが「元気すぎる」のだと。
もともと母は普段、私と2人、静かに暮らしています。
夜中に私がトイレに行った音でも目が覚めるし、外食時にも好き嫌いが結構ある人です。
ところが、同世代の患者さんたちとの大部屋。どうやら、高齢者独特の行動が神経に触ってしょうがないようなのです。
夜中のうめき声、痰の絡む音、頻繁なナースコール、大いびき、寝っ屁、徘徊音......。とても病室では寝ていられず、ついには母はナースセンターに駆け込み、一晩を過ごしたとのこと。
若い頃は「年寄りのすることだし、しょうがないか」と我慢できたことも、今は自分が年を取って、我慢がしづらくなってきたのでしょう。
眠れない夜を過ごして朝になってみると、寝たきりの患者さんも全員、ごはんを完食。病院で出される食事は、お見舞いに行った私でも食べきれない量です。それを皆、完食している。一日中動くことも無く長期間入院しているのに、その食欲。ほとんど食べ切ることが出来なかった母は、圧倒されてしまっていました。
結局そのときは運悪く個室が空いておらず、母は再び魔の一夜を耐えた後、翌朝無事に逃げるように退院して家でぐっすり寝て、すっかり元気になりました。
かかりつけ病院の主治医や看護師さんたちは本当に良くしてくれますが、今後もしまた入院することが起きたらどうしようか......今も答えが見つかりません。
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