アラフィフ主婦ブロガーのマコさんによる連載第8回! 結婚20年、中高生の子供2人を持つ48歳のマコさんには、とても個性的な60歳の旦那さんが...。複数の収益不動産(アパートなど家賃が入る物件)を持ち、なんと50代でアーリーリタイヤをされた頼もしい旦那さんなのですが、超絶な「節約家」だそう。そんな「ドケチ夫」と暮らす日々をお届けします。
前回の記事:その引っ越しって意味あるの...? 「モンスターハズバンド」の実態をご覧あれ/ドケチ夫との日々(7)
試乗車でスピード違反! そして...!?
毎日、食事とテレビのバラエティ番組チェックで、リビングのソファに丸一週間座りっぱなし。立ち上がるのはトイレに行くときのみ。
風呂も入らず、郵便物も取らないという徹底して「動かない男」だったドケチ夫。
洗濯で使う水も節約したいらしく、もう10日以上も同じフリースを24時間着ているため、リビングにぷ~んとカビ臭いにおいが漂い始めていました。
もう本当にいい加減出かけてくれと思っていたら、ようやく重い腰を上げ、今日は車でどこかへ出かけた様子。
あ~本当に良かった。
そう思って、私は久しぶりにのびのびしたおひとり様時間を堪能しておりました。
すると...私のスマホが鳴るのです。
見れば夫からの着信...。
せっかくの「ぼっち」時間、ゆっくりさせてくれよ本当に...。
彼からかかってくる電話に、いい話はひとつもないので、渋々「何よ?」と出ると
「なんと捕まっちゃった。警察に。スピード違反で」
...は?
聞けば、ふらっと訪れた高級外車のディーラーで試乗車を運転しているときに、スピード違反で検挙されたとのこと。
ああ、そういうことか...。私には思い当たるふしがありました。
ドケチな夫、試乗車でスピードを出したくなるはずなのですわ。
一応、人をひいてケガをおわせる、ドケチ夫がケガをすることがなかったのが不幸中の幸いです...。
普段、スピード違反とは程遠いドケチ運転術
我が家は国産車を1台所有していますが、とにかくガソリンを使いたくない夫は、自家用車で「エンジンをふかす」「スピードを出す」「急発進、急加速」はいたしません。
彼が運転していて一番喜びを感じるのは、車の燃費計の1Lあたりの数字が一番大きくなったとき。
つまり1Lあたり、一番長く走ることができたと実感できたとき。
そのためには、どんな努力も惜しまない人です。
基本、高速には乗りません。
私と結婚してから、自分から進んで高速に乗ったことはありません。
(しかし、私のETCカードが抜かれずに残っていた時には、迷いなく高速に乗って、高速代を私のクレジットカードの支払いにつけます。)
「したみちでいく。したみちでいく。」これが彼の口癖。
つまり、常にナビでは「一般道を通るルートです!」を選択します。
家族でお墓参りに行くとき、家族に高速に乗るようプレッシャーをかけられて、イヤイヤ高速に乗った際。
「トイレに行きたいから次のPAで停まって」という家族の申し入れを、夫は華麗にスルーしました。
なぜなら、PAに停まったら、家族がお土産や飲み物、お菓子など、いらん無駄遣いをしてくるから。
「トイレは目的地までガマンしろ」と言われて、ガマンできなかった子供が、飲み終わったペットボトルにおしっこをしたところ、緑茶と間違えて彼がそれを飲む、という仰天エピソードもございます。
自分から率先して家族の黒歴史に爪痕を残していくなんて、ホント見上げた根性ですよ(苦笑)。
給油ランプが点灯して、メーターの針がエンプティギリギリになるまでガソリンを入れません。
なぜかというと、ガソリンが入っていないほうが、燃料タンク分軽くなるため、燃費がよくなるから。
(何度も私が車に乗ろうとエンジンをかけた瞬間に、ガソリンタンクが空で運転できず、絶望してきました)
余分な荷物は載せません。
荷物があると、燃費が悪くなるから。
遊びにいくためのドライブもありえません。
ガソリンがもったいないから。
同乗する場合、乗る人の体重を考えて、座る場所まで指定します。
タイヤの減りを均等にするため。
基本、車は夜に乗ります。
夜は道が空いているので、ガソリンを効率的に使えるから。
...一事が万事こんな感じで、彼と車に乗ると、車内の空気は悪くなるし、いちいち文句を言われるので、誰も休日にドライブに出たいと言わなくなりました。
旅行に行きたいときは、夫抜きで、生活費を使って電車で行く。
子供たちが成長して、宿泊代が大人料金になってくると、旅費もバカにならないので、そもそも旅行の回数もぐっと減りました。
...なんてつまらない家なのでしょう!
もはや車を運転することが恐怖となりました...
外出先でついついビールを飲みたくなるときは、お酒を飲まない私に「帰りはお前が運転してくれな」と言う、偉そうな夫。
私が渋々運転席に座ると、夫は必ず運転席の後ろに座ります。
そしてメーターを覗きこみながら、エンジンの回転数やブレーキのかけ方、発進の仕方まで逐一文句を言ってきます。
「ふかすな!」
「もっと優しく運転しろ!」
...そんなに文句言うなら、酒飲まないであんたが運転しろ!と、結局、車内でもめることになります。
...そうなんです。外食にも、ドライブにも、いい思い出なんてひとつもありません。
もちろん、私一人で車を使ったときには、後からガソリンの減りと、燃費計の数字をチェックしてちくちく責めます。
常に夫はそんなふうなので、若いころあんなに運転が好きだった私も、車に乗るのがほとほと嫌になりました。
今や、ほぼペーパードライバーです。
ほんと、彼には、私から運転の楽しみを奪った責任をとっていただきたい!
すっかり前置きが長くなりましたが...
そんなドケチな夫にとって、高級外車を無料で、ガソリンの減りや燃費を考えずに、思いっきり加速して走らせることができる「試乗」は、気分がアゲアゲになるドライブなのです!
(さらに試乗したことでプレゼントがもらえたりするので、さらにお得なシステム!)
...で、ウキウキ気分で外車の試乗車に乗り、直線でエンジンをふかしまくってスピードを出したところで、運悪く警察に見つかったわけです。
スマホを耳に当てたまま、呆れ果て...「あんたバカじゃないの?」の言葉すら出ない私。
スピード違反で罰金数千円も支払うことになるなんて、ちっとも節約になってないじゃない。
試乗車でスピード違反切符を切られるという間抜けすぎる事態...。
ようやくこの場で失笑ネタを披露できて、彼のおバカな失敗にも、初めて価値が生まれた気がしています。
しかも、いちいち、子供がお母さんに報告するように、妻に電話してくる夫も夫です。
なんなんでしょうか?
あっ...そうか、夫にはお友達がいないから(交際費節約のため)。
私しか、話し相手はいないのでした。
まあ私も、彼と楽しくおしゃべりするつもりは全くないのですがね(笑)。
そんなドケチ夫も、家族の前で、夢を語ることがあります。
それは「もうすぐポルシェとベンツを買うよ」という夢。
外車の2台持ちなんて、憧れのセレブ生活...!
...確かにね。
...でもね...家族全員、そんな話、白けた顔で受け流しています。
だってそれ、すでに10年以上聞かされている与太話なのですから。
60歳を過ぎて、彼の運転も、お世辞にも上手とは言えなくなりました。
耳も悪くなったから、車内のオーディオのボリュームがハンパない大きさ...。
車から漏れる、演歌の騒音被害のほうが、社会の迷惑なんじゃ、と思うほどです。
彼の立場に立てば、おそらく、もうここで買わないと後がない、と思っているのかもしれません。
年齢も年齢ですし、一度も外車に乗ったことがありませんしね...。
ですが...たぶん実現しないでしょうね。
家族は誰も本気にしちゃいません。
外車2台?
「もったいない」の極地ですよ、いったい誰が運転するの。
事故ったら目も当てられない。
こんなときには、無視し続けるしかない。
そう思って、誰もが口を閉じ、貝になる日々なのでございます。
我が家のドケチ夫、外車に乗ることもなく、免許返納に向かって一直線なのでした。
妻として、世間様のご迷惑にならないよう、夫のハンドリングを頑張りたいと思います。
現場からは以上です!
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