<この体験記を書いた人>
ペンネーム:こみく母
性別:女
年齢:59
プロフィール:子どもが2人いる専業主婦です。子育てが終わり、夫婦水入らずの時間を楽しんでいます。
これは7歳年上の夫が65歳のときの話です。
車が好きで運転が上手な夫は、仕事でも車に乗る機会が多く、運転しない日はないくらいでした。しかし定年をきっかけに、運転は休日メインに変わり、日課だった夫の運転で行く休日の夫婦の買い物の中で、私はだんだんと夫の運転に違和感を覚えるようになったのです。
私が違和感を感じ始めたのは、車の寄り方です。夫は中央車線を基準に運転するタイプだったのですが、その車線をはみ出しそうになることが増えたのです。わが家の車は安全機能として車線をはみ出すと警告音がなるのですが、その警告音をよく聞くようになって、あれ?と思った私。ですが夫本人はあまり気にしていない様子で、はみ出し車線の警告音が鳴るとすぐに車を戻すので、このときは私から声をかけることもありませんでした。
それからしばらくすると、夫が「夕方になると日中よりも目が見えなくなる。老眼が進んだのかもしれない」と言い出しました。もともと夫は目が良く、運転するときも裸眼で運転していました。50歳くらいから老眼が始まりましたが、遠くは見えているため、メガネは車に積んではいたものの、かけたりかけなかったりマチマチ。今までは運転中見えづらいといったことがなかったので、驚きました。夫婦で話し、それからは夕方以降の運転をやめることにしました。
ですがこのようなことが重なり、私はだんだんと免許証の返納を考えるようになりました。しかし、車が好きで運転を楽しみにしている夫に「運転をやめて、免許証を返納しよう」と伝えるのは心苦しく、なかなか言い出せません。それでも高齢者の交通事故のニュースを見ると他人事だと思えず、いつか夫もこういう事故をおこしてしまうのではないか、と不安でいっぱいになっていました。○歳になったら運転をやめると年齢で区切るのではなく、運転に変化が現れている今、運転をやめたほうが安全だと思ったのです。運転免許証の自主返納を行なうと運転経歴証明書をもらうことができ、免許証がなくても身分証明書に不自由することもありません。私はそのことも含めて夫に話すことにしました。
すると夫も私が心配する気持ちを理解し、前向きに検討してくれました。運転は好きだけれど、夫自身と私の命の方が大事だといってくれたのです。
どんなに言いにくいことでも、相手が自覚していないと感じたら、近くにいる家族が言わなければならないと改めて痛感しました。今では、ドライブに代わる夫婦で楽しめる新しい趣味を探して、休日はのんびり過ごしています。
関連記事:免許返納の手続きってどう進めるの? 気になる特典内容は? 免許返納後の車はどうする?
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。