道交法改正。認知症と判断されたら「免許取り消し」も。運転をやめてもらうタイミングは?

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75歳以上の運転免許保有者の認知症対策強化のため、2017年3月に道路交通法が改正されて半年。改正により、3年ごとの免許更新時に受ける認知機能検査で「認知症の恐れあり」と判定されると、医師の診断義務が発生。認知症の場合、免許停止または取り消しになります。警察庁の発表では、認知症と診断され、運転免許の取り消し等処分を受ける人は、2015年中は1472人、16年中は1845人でしたが今後は年間約1万5000人に上ると見込まれます。


移動手段の確保や、生きがいの見直しで、運転中止を後押し

改正道交法が施行され、2017年度中に免許を自主返納する75歳以上の人は、昨年度の年間返納者数約16万2000人を大幅に上回ると予測されます。一方で、身近な人が認知症を疑われた際の対応に悩む人も少なくありません。そこで、川崎幸クリニック院長の杉山孝博先生にお話を聞きました。

「認知症と診断されたら、免許は返上しなければなりません。しかし、認知症は緩やかに進行するため、周囲が気づきにくいことも。運転を諦めさせるタイミングの見極めが重要です」。見逃してはいけない行動の変化は、下記の8項目。一つでも該当したら、運転を諦めさせる必要があります。

【1つでも思い当たったら注意! 運転をやめた方がいい8つの行動】

□行き慣れた場所なのに時間がかかるようになったり、道に迷うようになった
□急発進をする、急に曲がるなど、運転が乱暴になった
□車に擦った痕やへこんだ痕など、傷をつけるようになった
□一時停止ができないなど、簡単な交通ルールを守ることができなくなった
□本人が運転に対する不安を口にするようになった
□運転中、他の車に抜かれるとイライラするなど、怒りっぽくなった
□車庫入れが雑になった、うまく駐車ができない。
□人身事故を起こした
※杉山先生の話をもとに、編集部で作成

しかし、運転の中止を受け入れてもらえない場合、どうしたらよいのでしょう? 「度々説得しても聞き入れてもらえない場合は、車を修理に出す、鍵を隠すなどの方法で強制的に車から遠ざけることも一つの手段です」。
また、「病院に行けない」「仕事に必要」など、運転をしないと生活が成り立たないケースもあります。そういった場合には、車に代わる交通手段の確保も必要です。「家族が送り迎えをしたり、介護タクシーを利用するなど、家族間で代替手段を話し合ってみましょう」

運転を諦めさせるには、本人の気持ちを理解し、個々人にあった対応が大切です。移動手段の確保とともに、運転に代わる新たな楽しみや生きがいを見つけられるようサポートしていくことが重要です。

 

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<教えてくれた人>
杉山孝博先生
すぎやま・たかひろ 川崎幸(さいわい)クリニック院長。公益社団法人認知症の人と家族の会全国本部副代表理事、神奈川県支部代表。
この記事は『毎日が発見』2017年11月号に掲載の情報です。
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