夫が脱サラして始めた居酒屋を夫婦二人三脚で営んできました。
ところが、夫と常連客だった女との浮気が発覚。そして離婚...。
現在の私は一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
▶前回|60歳の再就職。若い頃に出来ていたことが難しく、大学生の先輩に叱られて...
離婚後2度の転職を経て、3度目の職場では人間関係に憂鬱になったりする事もたまにありましたが、それなりに何とか勤めていました。
この頃の私は、仕事の無い日は近くに住む長女の所に行き孫達と遊び、家に帰るとタブレットでお絵かきをしたり、YouTube等を見て過ごす事が日課となっていました。
テレビは持っていませんがスマホとタブレットがあれば退屈する事はありません。
そしてそんな私の平凡な日々に転機が訪れたのは、いつものようにYouTubeを観ていたある日の事でした。
そこで何気なく観ていた一つの動画に私は興味を惹かれたのです。
その内容は、築ん十年やら山奥の一軒家やら、普通の人なら到底興味を持たないような物件をリフォームして快適に住んでみるというようなものでした。
動画で観るそれらの物件は、通帳に残っている私のお金で買っても、残りのお金で数年は生活出来そうな価格でした。
家の売却金を旦那と半分にしたので私の持ち金はもともとかなり少なく、家賃や生活費等で消費した結果、一人暮らしして1年余りで半分近くにまで減っていました。
賃貸マンションの家賃をこのまま払って行く事と、破格の中古物件を購入する事を比較して、色々と思案を巡らせました。
そして、もっと自分に合った良い条件の物件はないものかと、更にインターネットで調べ始めたのです。
出来れば予算内で、長女の所に自転車で行ける範囲内と言う条件をしぼり込んで検索しました。
かなりの物件を検索して、時には実際に内見もしたりして、ようやく私の条件を満たしたその物件は、築60年以上で数軒が繋がった2階建ての長屋のうちの一軒でした。
隣町にある長女の所からは遠くなりましたが、頑張れば何とか自転車で通える範囲内です。
家としての価値は無いも同然ですからほぼ土地の価格と思われる物件は、国産自動車を1台買える程度の価格でした。
この歳ではローンも多分組めないだろうと思ったので、貯蓄は残り僅かになってしまいますが現金での一括払いとしました。
古い家ですからかなり掃除をしなければならないし、直さなければならない所も沢山あります。
素人では到底直せそうにない一番傷んでいた居間はプロに任せる事にして、私は素人なりに少しずつ家の傷んた所を修理していきました。
離婚後に就職した3度目の飲食店の仕事は、引っ越し後の家からはかなり遠くなった為に辞めてしまったので、引っ越しと同時に就職活動も始めました。
住めば都とは良く言ったもので、古い家も住んで見ると徐々に愛着が湧いて来るものですね。
終の棲家として選んだこの家で、何事もなく平凡で平和な一人暮らしの日々がずっと続くと、この時の私は思っていました。
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