<この体験記を書いた人>
ペンネーム:コアラパンダ
性別:女
年齢:40代
プロフィール:ケガや体調不良が多くなってしました。間もなく50才です......。
今、この年になると冷静に考えられますが、昔の私の頭は「子供がほしい」ということばかりでした。
晩婚だった私たち夫婦は、20代の時に主人が建てローンを返済している家で結婚と同時に義両親同居。年金暮らしの義両親の生活費も負担しながら仕事もして、こんなことで子供が授かるのだろうかと不安な毎日でした。
義両親の浪費はひどく、貯金もできずストレスもたまり、授からない焦りと授かっても育てられるかと不安が重なった私は大爆発! ついに私達夫婦がアパートに出て、別居することになったのです。
今までだったら水のように流れて消えていった義両親へのお金。そのお金と私の独身時代にためたお金で、不妊クリニックへの通院が始まりました。
ただ、将来いずれ再同居となると思っているので、子供がいると考えてのリフォーム資金だけは確保しながら治療をしたのです。助成金を受け取りながらでしたが、気が付けば年間100万円を5年も続けてしまいました。
そして年齢も重ね、これから出産、子育てをするには大変だろうと夫婦で話し合い、妊活終了。不妊治療中はなかなかできなかった旅行やスキー、ペットを飼うことなどを楽しみにしていました。
そんな時、義両親が「生活費が足りない! 払ってくれ!」と言い出したのです。そこで私達はリフォーム後の再同居を提案し、その時は光熱費などこちらで負担するなど話してみました。ただ、どこでどうなったのか「リフォームは許さない」「同居も勘弁」「でもお金は払ってくれ」との返事。驚くばかりの私たち......。
自分で建て、20年以上ローンを払い続けてきた家に戻れないと知った主人の落胆は大きかったようです。ですが話し合いの結果家には戻らず、自分以外の兄弟に両親の面倒を見てもらう代わりに、家の権利を放棄した夫。私は煩わしいものがなくなってすっきりしたのですが、夫は落ち込み......と思ったら「二人で住む家を建てよう」と切り替えたのです。
でも、そんなお金どこにあるの? 不妊治療で500万円も使ってしまいました。もう年齢も50代。子供がいないからと言って、余裕があるわけじゃありません!
私は公営住宅でもアパートでも、義両親と関係が断てるならどこでもいいのです。ただ、男のロマンというか、ステータスというか、意地なのかもしれません。
幸いにも地域では大きな企業に勤めており、定年後も延長で働けそうな夫。銀行での仮審査もなんなくクリアしました。そして、それが自信になったようで土地探しや住宅展示場めぐりが楽しそうなのです。その反面、私は治療せずに子供を授かれる体だったら理想的な土地を選べたのに......と自分を責め、不安なことが頭の中をぐるぐる。
不妊治療をしたことには後悔はありませんが、今となれば子供を持たない生活を選択し、早いうちから別居をして新居を購入しておけば、などと、考えてしまいます。
私はなるべく予算を抑えてと思っていますが、主人はもっと窓は大きく、駐車場にはカーポートを、リビングは広く吹き抜けに!と、打ち合わせのたびに増額増額!
わかってる? 今、私たちは50代。払い終わるときは70代。頼れる親も兄弟もいない。自分たちが迷惑したのだから、誰にも迷惑はかけない人生でありたい。よく考えてね、と言い聞かせる毎日です。
これはパートに出ないとやっていけないかな~と求人誌を眺めています。あともう一つ私にできることは「新しい家は自分たちで作れるところは業者に頼まず、のんびり二人で作りましょう」となんとかなだめること。不安でいっぱいです。
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