<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろえもん
性別:女
年齢:55
プロフィール:海辺の街で猫4匹と夫とのんびり暮らす関西のおばちゃんです。
50歳を超えた頃から、何もない平坦な道でもつまずくことが多くなり、ついには急いで走ると派手に転ぶようになりました。そして1カ月の間に3回も派手に転んだのです。1回目は斜めがけにしていたカバンが地面とのクッションになり、ひじのかすり傷程度。2回目は転びそうになって前のめりになったとき、とっさに柔道の受け身のように身体をかわし背中から着地、かろうじて難を逃れました。ただ、仰向けに落ちた反動で、後頭部を地面に軽くコツンとぶつけました。とっさに手で支えようとして腕に全体重がかかり骨折したり、地面に顔面から倒れ前歯を折る同僚がいたので、手よりひじで支え顔面から落ちないことに、すごく気を遣っていたのです。そして運命の3回目。ホテルの狭い廊下でフカフカの絨毯につまずいて、思いっきり顔面から着地し、鼻から唇の辺りが擦り切れて血だらけになってしまいました。口をしっかり閉めていたことと、顔を若干斜めにしていたことが功を奏し、前歯が少しぐらついている感じがするぐらいで、折れるような惨事には至りませんでしたが、顔の痣は3カ月以上消えなかったと思います。
さすがにこれはおかしいと思い、脚のレントゲンを撮ってもらったところ、大腿骨の付け根の軟骨がすり減っているという診断を受けました。ただ、先生のお話では現在の私の年齢で人工関節置換手術をすると人工関節の寿命の20年後、つまり超高齢になってから再度手術をする必要があり大変危険とのこと。結局、スイミングやサイクリングなどの体重の負荷がかからない運動をし、筋肉をつけて、さらに痩せることで症状が改善するか様子を見ましょうということになりました。長時間連続して立っていたり、歩いたりしなければならない仕事に従事していたのが直接の原因とは言え、若い頃に比べて筋肉量が減ったにも関わらず体重が増えていたので、余計に負担がかかってしまったようです。
体力だけが取り柄だった私は、仕事もプライベートも一気に希望を失い、落ち込みました。趣味のダイビングも重い機材を背負って船のタラップを上がる脚力がないと無理ですし、緊急事態には他のダイバーに危険が及ぶ可能性もあります。広い空港内を走り回ったり、4時間歩きっぱなしでお客様を案内する旅行関係の仕事にも限界があります。思い起こせば40代後半までは、土曜日は公園でウォーキングやサイクリング、日曜日はスイミングとせっせと身体を動かしていましたが、50歳になろうとする頃、少し疲れたのを言い訳に、携帯をいじりながら家でゴロゴロしたり、まだ階段で上がれる余裕があったのに、エスカレーターやエレベーターを利用したりしていました。例え一駅でもバスに乗ったり、電車ですぐ座ったりすることを「疲れてるんだからいいじゃない」と気軽に考えていました。その行動によって確実に筋肉量が減り、関節に負担をかけていたことに全く自覚がなかったのです。
現在はジムで水中ウォーキングやアクアビクスを楽しみながらやっています。体重は2カ月で2キロしか減少していませんが、少し筋力も戻り、一時期椅子から立ち上がるのにも苦労していたのがスッと立ち上がれるようになりました。
昨日走れた人間が、気づいたら歩けなくなることもあるという現実を体験し、可能なうちに身体に少しずつ無理をさせながら筋力を維持していくことの重要性を今ひしひしと感じています。寝たきりにならないためにも無理をせず、かつ休まない体力づくり、その日々の努力の積み重ねを、これからはもっと大事に考えていきたいと思っています。
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