息子の友人2人の、あまりに悲しい死。その体験が、いじめにあっていた息子を変えました

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:むらまゆ
性別:女
年齢:44
プロフィール:専業主婦です。息子は17歳高校3年生、夫は46歳です。

息子の友人2人の、あまりに悲しい死。その体験が、いじめにあっていた息子を変えました 1.jpg

2020年中頃「いじめを苦にして中学生が自殺」というニュースを見ました。

近年高校生以下の自殺が増えているようです。

そのニュースを見た時にふと思い出しました。

息子はあることをきっかけに「死にたい、消えたい」と言わなくなったことを。

息子は小、中学生の時にいじめに遭っていました。

それもあって学校に行きたくない時はもちろん、嫌いな授業がある時などでも簡単に「僕もう死にたい」とよく口にしていました。

高校生となった今でも、学校に行きたくないことや大嫌いな先生の授業もあるようですが「死にたい」とは言わなくなりました。

本人が言うには、死生観が変わったそうなのです。

息子は中学3年生の時に、同級生2人を亡くしています。

1人目の友人の死は、全校集会で突然伝えられました。

死因については特に触れられませんでしたが、校長先生が泣きながら「命は大事にしましょう」と言ったので、その場にいた全員察したそうです。

亡くなった子はクラスは違いますが、前日まで息子と同じ塾に通い、隣同士の席だったそうです。

息子は大変ショックを受けていました。

もう1人は、小学校低学年の頃の親友です。

息子がそれを知ったのは中学卒業記念の食事会(全員の親公認)でのこと。

たまたま隣の席になった別の中学の食事会のメンバーの中に、小学校時代の同級生がいたのだそうです(息子は中学校入学と同時に転校したので、中学では学区が分かれていました)。

その子から、親友が中学で不登校になり、亡くなったという話を聞かされました。

死因はあえて聞かなかったそうです。

「聞いたら壊れそうだったから」

息子はそう言っていました。

そんな経験をした息子は、春休みに私に訊ねてきました。

「僕、友だちが2人も亡くなったんだよね。これって普通のこと?」

「普通ではないよ。どうして?」

「普通だったと思わないと精神がもたない」

「泣いていいんだよ」

そう言うと息子は号泣しました。

そんな風に泣いたのはこの時だけでした。

「僕はこれからどんなに嫌なことがあっても自殺はしない。生き抜くから」

息子はそう言った後から「死にたい」とは一切言わなくなりました。

後日、その時の気持ちを聞きました。

「死んだところで同級生(いじめた相手のことだと思います)はきれいさっぱり忘れるから」

「いじめた人はいじめた事実をいつか忘れて新しい人生を送る。いじめた相手に罪悪感を与えるには、生きることが大事だと僕は思った」

そう思ったそうです。

息子の言い方は独特ですが息子の死生観は同級生の死で変わったのです。

そして最後の言葉は私にもグサリときました。

「死んでから後悔しても遅いよね」

私自身、うつ病で何度も自殺未遂を繰り返しているので、息子に殴られたようでした。

親として自分の子どもと同じ世代の子が自殺するのはとても悲しいです。

どうすれば減るのか分かりませんが、私の息子のようにどんなに辛くても生き抜くことを祈っています。

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