<この体験記を書いた人>
ペンネーム:わんわん
性別:女
年齢:50
プロフィール:50歳会社勤めの主婦。55歳会社員の夫、20歳大学生の息子と3人で首都圏在住。
2020年2月から数カ月、店頭から使い捨てマスクが消えて日本中が右往左往しましたよね。
首都圏に住む会社員の私(50歳)も同様、不織布マスクは手に入らないし、布マスクを作る技量は私にはありません。
そこで頼ったのが関西で一人暮らしをしている実母(83歳)でした。
実母とは離れて住んでおり、日頃から毎日、LINEか直接の電話で連絡をとっています。
「型紙を送ってくれたら作ってあげるよ」と言ってくれたので、無料ダウンロードできる型紙を印刷し郵送しました。
すると数日後には数枚の手作り布マスクが送られてきてとても助かりました。
ここで少し、母のプロフィールを紹介させてください。
母は会社員として祖母の介護を担いながらも定年まで勤め、定年後は登山を始めたかと思うと数年かけて100名山を制覇、四国のお遍路もすでに8周くらいはまわっています。
何かを始めると修行僧のような熱心さでやり遂げてきた、ぐうたらな私にとって自慢の母です。
アウトドアだけでなく手芸好きでもあり、気に入った素材や柄、お買い得な材料があれば購入し、長年かけて仕入れた材料が押し入れに大量に眠っていました。
コロナの影響で外出を控えざるを得ない生活が始まり、のんびり過ごすよりも動いている方が好きな母にとって、退屈という段階は早々に過ぎていたようです。
鬱々とし始めていたところに現れた布マスク作り!
母のハートに火がつきました。
母は努力家で我慢強く、人に喜んでもらうことが生きがいというタイプ。
感謝の言葉が母の生きるエネルギーなのです。
「今回送ったマスクで改善点があったら遠慮なく言ってね」
お願いしたのは私なのに、自らそう言ってくれるほど向上心もあります。
その言葉に甘え、鼻のところにワイヤーを入れて、型紙よりも大きめがよいと伝えると、数日後にその希望をクリア。
さらに細かい部分もバージョンアップされた新作が送られてきました。
2020年春先は会社でも私の布マスクは羨望の的。
そのことを母に伝えると、数日後には宅急便で100枚ほどの布マスクが到着。
小さい会社なのでそれだけあれば社員全員に配れます。
会社で喜んでもらえて、私もとてもうれしくて、母にその時の様子を詳しく電話で伝えました。
するとまた一週間もすると100枚近くの新作が送られてきました。
私の妹(会社員45歳)にも同様に送っていた様子なので、製作数量はかなりの数に及んでいたはずです。
最終的に母が作ったマスクは、軽く見積もっても3000枚以上になりました。
私は、マスク作りが母の生きがいになっていることに薄々気が付いていたので「もうこれだけあれば十分だよ」とは言えずにいたのですが...母のストイックさを甘く見ていました。
母はさらに改良を重ねながら作り続け、思いつく限りの人たちに配り尽くしても、まだ手元に段ボールが残っています。
「もう打つ手はない、正直に現状を伝えるしかないか...」
そう悩んでいた時に救世主が現れました!
私と同様に布マスク配布に苦慮していた妹が動いたのです。
実家のテレビで動画配信サービスが利用できるように契約し、利用方法を母にレクチャーしてくれたのです。
2004年頃冬ソナブームで一度は韓流にどっぷりはまっていた母。
この10年は韓流から離れていましたが、久々に妹が勧めたドラマの一つが83才をキュンキュンさせるドストライク!
字幕なので何か作業しながらでは鑑賞できません。
やっと母はミシンを片付けて、韓流に熱中に。
妹がたたみかけるように、母が一番気に入ったドラマのDVDセットもプレゼントしてくれたおかげで、母は繰り返しそのドラマを見続ける生活にシフトしました。
策士の妹に感謝!
今まで私や妹、周囲の人たちのためにとがんばってくれたの母に感謝するとともに、努力家の母に脱帽です。
今は、私との電話でそのドラマの話をしたがっている母の相手ができるように、私も同じドラマを見ています。
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