<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちょここ
性別:女
年齢:52
プロフィール:将来の夢はユーチューバーな52歳。
大学生の娘は遠く離れたところで暮らしています。
当初は1人でやっていけるのか心配したり気をもんだりしていましたが、SNSなどで元気な様子を発信しているのを見たり、毎日のようにLINEで連絡を取っているので最近は安心しています。
そんな娘が夫と私の休日について尋ねてきました。
「何月なら長い休みが取れる?」と聞くので、夫とも相談しましたが、なかなか揃って長期の休みを取るのが難しく、それを娘に伝えました。
そんなやり取りをしたことも忘れていたある日、娘がLINEで航空券のスクリーンショットを送ってきました。
「この日程でここへ行くのはどう?」と言うので「え? 何? どういうこと?」と戸惑っていると、「パパとママ、結婚30周年でしょ? 記念に旅行をプレゼントしようと思って」と言うではありませんか。
しかもちゃっかり自分も付いて行くと言うのでちょっと笑ってしまいました。
夫に伝えると喜びながらも「そんなお金あるの?」と心配気。
アルバイト代をコツコツ貯めていたようなのですが、よくよく考えてみたら学費も下宿代もこちらが支払っている学生の身です。
せっかくの申し出でしたが「気持ちだけいただいておくね。それよりその休みに帰ってきて元気な顔を見せて。家族で美味しいものでも食べに行こう」と返事しました。
娘は「え〜、せっかく3人で旅行できるチャンスだと思ったのに〜」と少々不満気でした。
娘は3人姉弟の真ん中です。
上の姉は妹弟が生まれる前には3人で旅行をした思い出があります。そして弟は2人の姉が家を出てからはその地を尋ねて3人で出かけたことがあり、今では一人っ子のように3人で暮らしています。
娘が言うには「自分はパパとママと3人で旅行したことがない。だから行きたかった」そうなのです。
なるほど、と納得しました。
生まれた時から上には姉がいて、しばらくしたら弟もできて、真ん中っ子の娘は両親を独占した思い出がありません。
家族全員で行く旅行の思い出はあっても、両親と自分だけというシーンがほとんどないまま、今は1人で暮らしているのです。
一人っ子の夫と末っ子の私には真ん中っ子の娘の気持ちがよくわからなかったのでした。
娘なりに考えて計画した、夫婦だけでなく自分も含めた記念の旅行にしたかったのでしょう。
娘の寂しさを垣間見たような気持ちになって、反省させられました。
今度帰ってきたら心からありがとうと伝えよう。そしていつか3人だけで旅行しようね、その時まで親孝行は取っておいてね。
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