「じいじ、悲しかったね」と背中をさする孫...義母の葬儀で見えた娘と孫たちの成長に涙が

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:59歳の夫、長女28歳(孫たちの母親。16歳で結婚出産、現在シングルマザー)、次女25歳、小5と小2の孫によって感動的な出来事がもたらされました。

「じいじ、悲しかったね」と背中をさする孫...義母の葬儀で見えた娘と孫たちの成長に涙が 25.jpg

2022年3月、義母(94歳)が亡くなりました。

悲しみの中すぐに葬儀の準備に取り掛かりましたが、コロナ禍でどんな葬儀が良いのか悩みました。

いつも通り、ゆかりの方々を呼んでもいいのかな...そうなると感染リスクが高くなるのではないのかな...。

いろいろ考えた結果、通常のお葬式ではなく最少人数、近しい親戚だけのお葬式に決めました。

そうなると、今度は別の不安がよぎります。

不安をかきたてたのは、事前打ち合わせで葬儀社の方が言っていた言葉です。

「少人数の葬儀の場合、個々の行動が目立ってしまいます。また、副葬品やお花を入れる回数が増えるのでそれぞれの役割が重要になります」

これはつまり、全員が行儀よく、テキパキ動くということです。

「娘や孫たちは大丈夫?」

娘たち(28歳と25歳)や孫たち(小5と小2)の普段の振る舞いを知っている分、不安しかありません。

しかし、決めた以上やるしかないのです。

そこでさっそく家族でしっかりと話し合い、葬儀に備えるように伝え当日を迎えたのですが...。

「あのおじさんが来るのか。私苦手なのに」

「だったら他人のフリしようかな」

「それがいいかもね」

葬儀会館に到着するやいなや、娘たちの軽口が続きます。

そして、上の孫は「お腹がすいた」と言いだしますし、下の孫に至っては大はしゃぎで走り回る始末です。

それを見て「あ~、これは無理かも...」と、絶望的な気持ちになりました。

しかし、娘たちや孫たちをなだめたり、時に叱ったりしながら葬儀ホールに移動すると、みんなに変化が現れたのです。

葬儀ホールに入ると、すぐに祭壇が目に入り、その前に義母の棺が置かれていました。

本当に厳かな雰囲気です。

きっとこの空気を感じ取ったのでしょう。

長女が急にピリッと引き締まった態度に変わりました。

続くように、次女も孫たちも同じくピリッとして、さっきまでの軽い振る舞いは消え去りました。

それは葬儀本番まで続き、それぞれが自分の役割をテキパキとこなしていったのです。

そして、骨あげまでの待ち時間、娘たちは「苦手」と言っていた親戚との会話もそつなくこなしていました。

こうして、無事に葬儀を終わらせることができたのです。

そしてその日の夜も、家族全員でしんみりと過ごしていたとき、孫たちは周囲に優しい言葉をかけて回っていました。

例えば夫(孫たちにとって祖父)に対しては、「今日は疲れたね」、「じいじ、悲しかったね」と背中をさすりながら声をかけていました。

母親である長女には「ママ、今日はよく頑張りました」という言葉とハグを。

そして祖母である私に下の孫が抱きついてきたとき、上の孫は「ばあちゃんはダメ。コケたらケガしちゃうでしょ。私が抱っこしてあげるからね」と一生けん命に私を守ろうとしていたのです。

そんな娘や孫たちの姿を見ると「きっと葬儀で何か大切なことを学んだのね。お義母さんが娘や孫たちの成長を最後まで手助けしてくれたのね」と、感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

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