<この体験記を書いた人>
ペンネーム:324
性別:女
年齢:37
プロフィール:料理好きの主婦。
かれこれ15年前くらいの話になってしまいます。
自分が大学4年生のときに軽い気持ちで始めたアルバイトがありました。
イベントコンパニオンです。
当時は今ほど景気が悪いわけではなかったため、車のショーや各種展示会、メーカー新製品の発表、プロモーションなどなど。
場に華を添えるにぎやかし、といった位置づけで、イベントコンパニオンやキャンペーンガールの求人がちょくちょくありました。
そういった現場へ女の子を派遣する事務所が多数存在し、登録しておけば、いろいろな仕事やイベントの打診を向こうから連絡してくれます。
スケジュールやギャラなどの条件を聞いたうえで自分でやる、やらないを決めることができたのです。
可愛い衣装を着てポージングし、ニコニコしながら立っているだけで高額な日給をもらえるので、私にとってはかなり魅力的でした。
ただやはり人に見られる仕事ですし、背が高いとかスタイルが良いとか、自分の容姿に自信がある人が自然と多く集まってきます。
そういう女同士が集まると、衝突は免れません。
私はただの大学生アルバイトでしたが、何が気に入られなかったのか、嫌がらせをされました。
お手洗いから戻ると、靴を隠されていたり、ハンガーにかけてロッカーに入れておいた衣装をバラバラにまき散らされていたりするなど、いろいろと洗礼を受けました。
最初はとても驚きました。
そして、同じ事務所の先輩・後輩であっても、立ち位置やどのポジションで仕事をするかでとり合いになります。
実際に争っているところを見たこともあります。
また、業務上のことで何か質問しても気に入らないと無視されるなど、女同士の熾烈な争いが絶えなかったです。
現場で私は常に戦々恐々としていました。
さらに、年齢をごまかすのは業界では常識、暗黙のルールのようでした。
クライアントに気に入ってもらえるとまた違う仕事で声をかけてもらえる可能性があります。
だから、うまく取り入って何とか次につなげたい、と皆笑顔を作りながら虎視眈々とチャンスを伺っていたのです。
運が良ければ誰か芸能関係の人の目に留まり、そこからデビューなんていうシンデレラストーリーを本気で夢見る人もいました。
アルバイトを続けるうちに分かったのは、この仕事で食べていこう、何とかのしあがってやる、と真剣にやっている人からすれば、現場にいる女の子は誰も彼もがライバル。
そう、ただの大学生アルバイトである私でさえも、蹴落とすべき存在なのです。
大学卒業後に正式に別の会社に就職してからは、現場へ行くことはなくなりました。
ですが、華やかな世界の裏にはとてもドロドロした闇があるのだな、良い社会勉強になったと今でも思います。
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