20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
先ごろ、ひとり暮らしをはじめたという中道あんさん。住み慣れた家を離れ、引越した先での新しい暮らしをどのように感じて過ごしているのでしょうか。
【前回】その1時間を体のために。シニアの睡眠は健康のバロメーター
30年間住み慣れた家を出て、ひとり暮らしを始め2カ月が過ぎました。
「そろそろ、寂しくなるころなんじゃないの?」と言われることもありますが、答えは「とんでもない~パラダイス!」です。
そもそも、気ままで自由が大好き。
私が考える自由とは自分のことは自分で決められる、そして、自分で責任を負うことができる上にある選択が自由を作り出すと思っています。
寂しさって誰かから何かを与えてもらうのを待っているから感じるもので、そもそも人は「ひとり」なんだという思いがあれば、「孤独」を受け容れられます。
50代をすぎれば、望むかどうかは別として「ひとり」になる人が増えてくる世代だし、考え始める人も少なくはありません。
これまで、私は子どもと暮らしていましたが、子どもがそれぞれ独立していく中で、今の住まいに残ってひとり暮らしを始めたからといって、そこまで人生に変容が起きるとは思えませんでした。
だから思い切って引越したのです。
「人生を変えたければ引越しすべし」と聞いたことがありますが、しかし、人というのは「変わる」ことへの不安は大きいものです。
その不安の元をあぶり出して解消できればいいのでしょうが、不安とは心配ごととはちがい実体のないものです。
思考のクセでもあるので、消してもすぐに現れてきます。
なんとなく、気持ちがザワザワするといった時には、「また、悪い癖がでてきた」と気づいてあげること。
そして、一旦そこから抜け出すために、呼吸を整えたり、目の前のことに集中したりして、そのザワザワを深追いしないことが大事です。
私もはじめてのひとり暮らしで「家賃を払えるだろうか?」と不安になりました。
お金の不安は奥が深くてこびりつきやすいので繰り返し不安の種となって出現します。
とはいえ、世の中の人は家賃や住宅ローンを払っている人がほとんどです。
なのに、不安を感じさせず平気な顔して住居費にお金をかけていられるのはどうしてだろう?と考えてみました。
すると、「そうか、その金額を払える人になる、"あたりまえ"になれば不安は消える」と気づいたのです。
それで不安に思うことはなくなりました。
このように、ものごとが"あたりまえ"になれば、ネガティブな感情は薄まっていきます。
また、ひとりでいることの寂しさも慣れれば感じることも無くなるでしょう。
私はひとり暮らしとはいえ、愛犬がいますのでまったくのひとりではありません。
こうして、今もコラムを書いている隣で、椅子の上に寝そべって仕事が終わるのを待っています。
寝る時も1つのベッドにくっついて寝ています。
ときどき、遊んでほしいというしぐさをしたり、ストーブをつけてと鼻鳴きしたり、言葉は話せませんがコミュニケーションをとったり愛情を示したりすることで、幸せを感じています。
おかげで、朝夕の散歩をすることで運動不足にはならないし、自分が寝込んでしまったら世話ができないので健康管理にも気を配っています。
・適度な運動をして足腰を鍛える
・健康管理をして風邪をひかないようにする
これらは、寂しさの芽を摘み取る行動だと思います。
ポジティブな毎日を送っていると寂しさを感じにくくなります。
あとは、家具や食器、アートや植物など自分の好きなものでこだわりを持って部屋作りをすることもポジティブになる秘訣です。
自宅に帰ってきて、ごちゃごちゃといろんな物が散らかっていると、それだけで気分が滅入りませんか?
好きなものに囲まれたすっきりした空間をつくることは、それ自体が楽しいものです。
コップ一つでも好きなもので飲むと気分だって上がります。
こだわりのソファやラグを置くだけも「早くおうちに帰りたい!」という気持ちになるのではないでしょうか。
また、部屋をおしゃれにキレイにしておくだけで、友人や家族を呼びたくなるものです。
私も、それまでの家にはなかったワインクーラーやグラスを新居には揃えて準備しており、さっそく友人たちを招待しました。
ひとり暮らしを寂しいものにするかどうかは、結局は感じ方なので自分次第ですね。
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