人との付き合いは夜から昼にシフト。60代からの人との付き合い方/中道あん

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。

幼なじみの友人と久しぶりのランチの約束をした中道あんさん。以前は夜の約束が多かったのですが、歳とともに考え方に変化があらわれて...。

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先日、幼なじみの友人がランチ会を主催してくれました。

1年か2年に一度、ごはんに誘ってくれるのを楽しみにしています。

仕事での人間関係が圧倒的に多い中、そうでない付き合いはほとんどありません。

だからこそ新鮮で、気持ちがはしゃぎすぎるほどです。

30代、40代は子育てで忙しく、自分のことどころじゃありませんでした。

年賀状で近況を知る程度に繋がっていた友人と再び付き合いが始まったのは50代になってからです。

母が老人ホームに入所していた時、週に一度の割合で食事を運んでいました。

私はかなりの食いしん坊ですが、母も負けず劣らずのもの。

そんな中で、少しでも季節の行事を感じてもらえればと、お正月、節分、土用の丑などの特別な日には、贅沢な食事を運んでいました。

それは「残りの回数」を想像してしまうからです。

もしかして最後かなと思いつつ差し入れた土用のうな重は、箸すらつけられずに処分したそうです。

女性の平均寿命は87歳と言われていますが、健康寿命はもっと短く75歳と言われています。

60歳の私たちは、上手くいけばあと15年は健康かもしれません。

365×15年=5,475日もありますが、その中で幼なじみとの楽しい食事は何回あるでしょうか。

いつでも会えると思うからこそ先延ばしして、実際は10回かも、いやもっと少ないかもしれません。

そう考えると友人との付き合いは最優先にしたいと思います。

会いたい人には会っておきたい60代です。

今回のランチは会席料理。

50代後半からでしょうか、夕方から飲み会に出かけるのが億劫になりました。

お酒は夜に飲むもので、真っ昼間から女性がお酒を飲むなんてはしたない、という教育を受けていたので、夜でないと飲み会は成立しないと思い込んでいました。

ところが、「昼飲み」できる居酒屋も増えて、いつ飲んだっていいんだと思えるように。

先の春には友人たちと、ホテルに泊まって夜更かししようと計画していましたが、実際は、眠気に負けていつも通りに就寝。

この歳になると、夜は活動するものではなく疲れをとる時間です。

気持ちはあっても体がついてこないとよくわかりました。

それもあってか、人との付き合いは夜より昼の時間にシフトしています。

これが老化というものかもしれません。

そして、食べ物の嗜好にも変化が表れるように。

和食の美味しさを改めて感じるようになってきて、フレンチより会席料理の奥深さに感動します。

夜なら手が出ないお店でも、ランチならそこまで高くはない。

そして量もちょうどいい塩梅です。

日本の本当の良さに気づくには歳を重ねる必要があったのだと知りました。

歳を重ねた分、一つひとつの経験を通して「みんなちがっていい」と思うようになり、自分の行動の多くは「思い込み」に左右されていると気づきました。

例えば、誘ったのに断られたら「理由」が気になったりしませんか。

原因ははっきりしないけれど、「嫌われたかも」と思ってしまうかもしれません。

意図して嫌われるような言動をとっていなければ、それは思い込みであることがほとんどです。

誘いにのるか否かは相手の問題であって、自分の問題ではないからです。

お互いが良しであれば一緒の時間を過ごせばいいですし、そうでなければ仕方ないことです。

「来るものを選び、去るものを追わず」というスタンスが、成熟した女性の人との付き合い方ではないでしょうか。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

中道あん

「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流」主宰。Ameba公式トップブロガー。20代で結婚、2男1女を授かる。結婚22年で夫と別居。55歳「自分らしく生きたい女性のための発信塾」を起業。4歳になるイングリッシュコッカースパニエルと日々の暮らしを楽しんでいる。著書に『昨日とは違う明日を生きるための 新しい幸せの始め方』(KADOKAWA)、『50代、もう一度「ひとり時間」』(三笠書房)がある

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『「誰かのために」を手放して生きる』

(中道あん/自由国民社)

これまで「家族のために」生きてきた自分に、革命を起こしてはみませんか。そろそろ自分を大切にして自由を謳歌していい。50歳からは心の贅肉を落として軽やかに生きよう。


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『昨日とは違う明日を生きるための 新しい幸せの始め方』

(中道あん/KADOKAWA)

15年前の私は、今がこんなに輝いているなんて、想像すらしていなかった。「家族のための私」から、「私のための私」に! Ameba公式トップブロガーによる40代からの人生を新しく構築する 「女性版ライフシフト」のバイブル。


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『50代、もう一度「ひとり時間」』

(中道あん/KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

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