つまずき・転倒を防ぐカギは足底筋群!座ったままできる「手足のおしくらまんじゅう」
イラスト/古谷充子『ボケない散歩』より
「80歳を超えても仕事を続け、毎日を楽しく過ごせるのは散歩のおかげ」と話すのは、保健学博士の石田良恵先生です。長年、運動生理学を専門に研究されてきた石田先生は、『ボケない散歩 83歳、健康を研究する教授の習慣』(アスコム)の著者でもあります。実は「歩くこと」の健康効果は、さまざまなデータでも実証されています。例えば、「1日1500歩で年間約3万5000円の医療費を節約できる」という国土交通省の試算があるのをご存じでしょうか。さらに、歩くことが認知症予防に役立つという研究結果も、世界各国から報告されているのです。とはいえ、健康のためだからと無理をするのは禁物。大切なのは、今の自分の体力に合わせて、楽に、安全に続けることです。そこで今回は石田先生の著書より、散歩を無理なく楽しむための「体づくりのヒント」をご紹介します。
※本記事は石田 良恵 (著)による書籍『ボケない散歩 83歳、健康を研究する教授の習慣』から一部抜粋・編集しました。
【トレーニング】「手足のおしくらまんじゅう」で足底筋群を強化
「手足のおしくらまんじゅう」をすると、よいことがたくさんあります。
1.歩行が安定し、転倒予防につながる
歩いているときに、ちょっとした段差につまずいたり、傾斜でバランスをくずしたりしても、しっかり踏ん張れるようになり、転倒を防げます。
2.土踏まずのアーチがしっかりする
土踏まずの「アーチ」は、足底筋群によって支えられています。足底筋群が弱るとこのアーチがくずれ、ひどい場合は偏平足になることもあります。
3.衝撃をやわらげ、関節への負担を軽減する
土踏まずは、歩くときに少し沈み込み、クッションのように地面からの衝撃を吸収してくれます。この沈み込みがないと、着地をするたびに腰やひざに大きな衝撃がかかります。
着地時の衝撃は、体重の約1.2倍とも。体重が50kgの方なら、一歩ごとに約60kgもの力が足にかかるということですね。土踏まずがあるからこそ、この力を分散できるのです。
4.関節のねじれを防いで、体のゆがみを予防する
土踏まずがアーチ状になっていないと、どうなるでしょう?
歩くときに足が内側に傾きやすくなるので、足首やひざ、股関節に不自然なねじれが生じてしまいます。この状態が続くと体がゆがんで、あちこちに痛みが出ることもあります。
5.冷えやむくみを改善する
足裏全体の血流が促されるので、足元の冷えの改善はもちろん、むくみの予防や軽減にもつながります。
特に長時間の立ち仕事をしている方や、座りっぱなしのことが多い方が行うと、血液やリンパの流れがよくなって、足がすっきり軽く感じられるようになります。
やり方はとても簡単です。
(1)素足になって床に座り、両足を伸ばします。
(2)片方のひざを曲げて、もう一方の足の上に乗せます。
上に乗せたほうの足の指と指の間に、手の指を交互に差し込むようにして組みます。
(3)手で足指を後ろに倒すように押しながら、足指は反らないように力を入れてこらえます。
手と足で「おしくらまんじゅう」をするイメージで、押し合います。
この状態を30秒ほど維持しましょう。手と足で押し合うことで、足底筋群にしっかり負荷がかかります。
1日に行う回数は、1〜3回です。
床に座って足を伸ばすのが大変な方もいるでしょう。
その場合は、イスに座って行っても問題ありませんが、座面が広くて安定したイスに座って行ってくださいね。座面が狭いイスだと、手足に力を入れた勢いでバランスをくずして、転倒してしまう危険性があるからです。


