大好きな電車を見て大興奮のリュウ君。興味は次々と別のものに移っていく様子に、「せっかく来たんだからもっと見ればいいのに」と思いつつも、好きなことからいろいろな言葉を覚え、できることが増えたんだと実感する。
――何度となく描かれるように、リュウ君は本当に電車が好きなんですね。
まるさん(以下、まる) はい。大好きです。私も出かけるのが好きなので、息子と一緒に電車に乗ってよく出かけます。
――漫画の中ではまるさんがリュウ君に対して「もう少し集中してほしい」と思っていたのが、「動くことで、吸収することがある」と考えが変わっている様子がうかがえます。
まる この間、電車で出かけたときのことなんですが、突然息子が「オリルー」と私の手を引いたんです。でもそこは降りる予定の駅ではなくて、「ここで降りるの? どこに行きたいの!?」と戸惑う私の手を引いて電車から降ろし、ぐいぐいと手を引っ張って乗り換え通路に向かい、息子が乗りたい電車まで誘導してくれました。けっこう複雑な道順なのに、ちゃんと覚えていてびっくりしました。
日々の行動から着実に学び、経験を積んでいくリュウ君。そうすることで、さらに色々な言葉や物事について学んでいくのだろう。
「どうしてうちの子が!?」と悩み、苦しみながらも、少しずつ成長する息子の姿に力を得て、一歩ずつ前に進んでいくまるさん。発達障がいを「障がい」ではなく「個性」と思えるほど子どもに寄り添い、一緒に成長していく姿を『シンママのはじめて育児は自閉症の子でした』で見守っていこう。