静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。月刊誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々をゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「弥生の空、花木うららかに」をお届けします。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年3月号に掲載の情報です。
サンキライの花。この後にふっくらと実を付け、楽しませてくれます。
裸ん坊だった樹木たちが春を感じて動き始めるとき。
待ちわびていた桜がほころび、太陽を全身で浴びるかのようにミモザの花もはじけて、気持ちが自然に弾みます。
地際の草花だけでなく背の高い枝先の様子が気になって、この時期ばかりは視線が上を向いてしまうのです。
初々しい花と、芽吹きたての葉。桜が咲けば理屈ぬきにうれしい
ブルーのドアを澄み渡る空に見立てて、ひと重の葉桜と色濃い八重桜をハンギング。お花見をするように、少し下の方から眺めるのも楽しいものです。花期は短く、風が吹けばまもなく花びらを散らすでしょうけれど、それも桜ならではの姿。左側の小さなつぼみは花蘇芳（はなずおう）。
ミモザは眩しい光の粒のよう
手で触れたくなるようなふわふわのミモザをひと枝、キッチンの窓辺に。合わせた白い花は可憐なシレネ。
＂6月に実るベリー＂だからジューンベリー。暖かい日が続けば3月下旬には開花し始めます。
裏庭で手折った桜。無造作にポットに挿すだけで絵になるのがこの花の力です。
【3月の定番ごはん】
アスパラガスとかぶのぬか漬け
アスパラガスはわが家の漬物の定番野菜。夜寝る直前にぬか床に入れ、朝一で取り出して浅漬けでいただきます。
筍とわらびのみそ汁
具材は下茹でした筍とアク抜きをしたわらび。立ち上がる春の香りと食感を味わう、春だけのぜいたくな一杯です。
構成・取材･文／飯田充代 撮影／斎藤大地
