近年、コーヒーは健康ドリンクとしての側面に注目が集まり、高く評価されています。また長引く自粛生活で「おうちでおいしいコーヒーを飲みたい」という方も増加中。コーヒーの香りは、さまざまな緊張からホッと心身を緩めてくれる効果も期待できます。健康に貢献してくれるコーヒーをさらに楽しんでみてください。今回はUCCコーヒーアカデミー専任講師の今田 束(いまだ・たばね)さんに、「コーヒーかすの活用法」についてお聞きしました。
【前回】ちょっとしたあれこれで、さらにおいしい一杯になる♪ コーヒーを「おいしく飲むための工夫」6選
【最初から読む】健康長寿に導く「コーヒー」習慣。肝機能改善、糖尿病の予防...健康ドリンクとして注目
二度楽しむ
コーヒーかすの活用法
入れた後のコーヒーかすは、生活シーンで無駄なく使えます。
活用1:脱臭剤にする
コーヒーかすは、活性炭以上にアンモニア(におい成分)の脱臭効果が優れています。
コーヒーかすを乾燥させて使う場合はもちろん、湿ったかすの場合は、なんと活性炭の約5倍もの脱臭効果が見込めます。
【水分を含んだ状態で】
水けをきったコーヒーかすを小皿に平たくして入れ、トイレや冷蔵庫に置いておくと脱臭剤に。
高温の時期はカビが生えやすいので1~2日で交換します。
毎日入れる方は、飲むたびにコーヒーかすを入れ替えるのを習慣にしてしまうと良いです。
【乾燥させた状態で】
コーヒーかすを皿などに広げて天日でよく乾燥させます。
また、フライパンで乾いりしても乾燥できます。
目の細かい布袋や使い捨てのお茶パックに入れ、においの気になるトイレや靴箱、靴の中へ。
カビが生えることがあるので数日で交換します。
活用2:ガーデニングに使う
コーヒーかすは土に混ぜることで、土壌改善や害虫対策など、さまざまな効果をもたらすことが分かっています。
害虫の忌避効果
よく乾かしたコーヒーかすを土の表面をうっすら覆うようにまくと、コーヒーのにおいでヨトウムシやコガネムシなど土中の害虫が寄り付かなくなります。
指や割箸で小さな穴を何カ所か作り、そこにコーヒーかすを入れても同じような効果を得られます。
雑草対策
コーヒーかすを土に混ぜると植物の育成を抑制する効果があり、炭素と窒素が増える影響で生態系が作られるせいではないかと考えられています。
目安としてコーヒー1杯分の湿ったままのかすを20cm四方にまくと、1年目はそこに雑草が生えにくくなります。
土壌改善
コーヒーかすをまいて2年目になると土壌改善効果がもたらされ、ふかふかの土になります。
また、コーヒーかすをまいて2年目にコーヒーかすと同量の堆肥を軽く土に混ぜると土壌改善がさらに進み、植物がとてもよく育つという実験結果も出ています。
取材・文/石井美佐 撮影/吉田篤史 取材協力/UCCホールディングス株式会社・井出G