日本の食卓でもすっかりおなじみになったハーブ。バジルやローズマリーなどさまざまな種類があり、「使い方がわからない」という人も多いかもしれませんが、もともと日本には、防腐作用や殺菌作用があるしそなどを生活に取り入れてきたので、難しく考えることはありません。ハーブの第一人者、北村光世さんに、その楽しみ方や簡単に使えるレシピを教えてもらいました。
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ハーブは肉、魚や野菜のほか、和食にもよく合います。「ハーブを特別なものと思い込まないで、これでなければ駄目なんてないから」と、北村さん。使う量も好みでいいといいます。最初は少量ずつ使い、自分の好みに合わせて使いましょう。
また、もうすぐ80代になる北村さんのはつらつとした元気のひけつは「ハーブとオリーブ油」だそう。ハーブは地中海沿岸原産が多く、同じ産地のオリーブ油と相性が良いので、調理はオリーブ油を使うのがおすすめ。心筋梗塞などの病気予防効果が高い「地中海食」もオリーブ油がベース。皮も種もいっしょに搾るので、多くの抗酸化物質を含み、加熱で酸化しないのも特徴です。
北村さんおすすめのエクストラバージンオリーブ油「アルベルトさんのオリーブオイル」。イタリア・シチリアで手作りされている
野菜にハーブをプラス!
「じゃがいものローズマリー炒め」
ゆでたじゃがいもをほっこり炒めます。ローズマリーが香り、爽やか。
使うのは...ローズマリー
「若返りのハーブ」として人気。日本でもよく育つ。爽やかな香り。
【材料(2人分)】
じゃがいも...300g
ローズマリー枝...8㎝1本(3等分する)
エクストラバージン
オリーブ油...大さじ2~3
塩...少々
【作り方】
1. じゃがいもは皮をむかずに丸ごとゆで、冷ます。
2. じゃがいもの皮をむき、半分か4等分し、さらに6㎜厚さの小口切りにする。
3. 大きめのフライパンにオリーブ油を熱し、ローズマリーと2を広げて入れ、全体に油をからめる。しばらく触らずに下面に焼き色がつき始めたら、時々上下を返して、表面をきつね色に香ばしく炒める。
4. 塩を加えて混ぜ、味をととのえる。
「野菜の天ぷらオレガノ風味」
衣にハーブを加えて香りよく!オリーブ油で揚げるとカリッとします。
使うのは...オレガノ(乾燥)
抗菌防腐作用。生より乾燥の方が香りが良い。イタリア料理の定番。
【材料(2人分)】
薄力粉...大さじ4
オレガノ(乾燥)...小さじ2
ビール...適量
オリーブ油...適量
ピーマン(緑と赤) ...各大1/2個
なす...小1個
オクラ...4本
レモン...少々
【作り方】
1. 衣を作る。ボウルに薄力粉とオレガノを入れ、上からビールを注ぎ、ポタポタ落ちるくらいの固さにする。ねばりが出てもよい。ビールを使うと軽く仕上がる。
2. 小さめの鍋にオリーブ油を熱し、衣を一滴落として、すぐ浮き上がったら(170度くらい)食べやすく切った野菜に衣をつけて揚げる。好みで塩(分量外)をふり、レモンを添える。
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取材・文/石井美佐 撮影/木下大造