元客室乗務員、専業主婦を経て料理研究家になった谷島せい子さん。60代の今、特に思うのは、おいしく"食べ切る"ことの大切さだそうです。
そんな谷島さんに、野菜の花を簡単&ヘルシーに楽しく食べ切る方法を教えていただきました。ベランダで育てた野菜やハーブ、知らぬ間に花を咲かせた菜の花を代表とするアブラナ科の野菜...。いったい、どんな料理になるのでしょうか?
花のフリット
植物たちは、いまが生長期。ベランダの西洋セロリ、パクチー、ハーブたちが育ち過ぎてしまった...。密集すれば湿気で蒸れるし、花が咲けば葉の香りも落ちてしまいます。そんなときは、風通しを兼ねて花摘み&料理を。油で揚げればアクも気になりません。初夏の爽やかな風味を味わって。
【材料(作りやすい分量)】
野菜やハーブの茎や葉、花...適量
(今回はチンゲンサイ、セロリの花を使用
[ころも]
強力粉...50g
(パルミジャーノ・レッジャーノ...小さじ1)
ベーキングパウダー...1g
コーンスターチ...小さじ4
オリーブ油...少々
冷水...120cc
揚げ油...適量
レモン...適宜
塩...適宜
【作り方】
1 野菜の花は洗って水けを拭き強力粉(分量外)を薄くふる。
2 ころもの材料をさっくり混ぜ合わせる。
3 1に2のころもをつけ、180〜190℃の揚げ油でカリッと揚げる。塩とレモンを添えて。
※パルミジャーノは好みで。市販の粉チーズでもOK。
菜の花の昆布〆
菜の花、青梗菜、キャベツ...。アブラナ科の野菜は、どれも身近で欠かせないものですね。でも、花を咲かせてしまうと、野菜としての価値が下がってしまう...。それをおいしく食べようと谷島さんが昆布〆料理を教えてくれました。昆布に含まれるほのかな海水の塩分と旨みが染みて、ちょっとした割烹料理のようです。
【材料(作りやすい分量)】
菜の花...1束
塩...少々
昆布...10cm角×2枚
酒...少々
【作り方】
1 菜の花は根元の硬い部分を除き、色よく塩ゆでし、水気を絞る。
2 酒で拭いた昆布で1の菜の花を挟み、ラップで巻いて皿等で軽く重石をし、半日くらい置いて味をなじませる。
3 食べやすい長さに切って、皿に盛り付ける。
※好みで菜の花の間に塩昆布を一緒に挟むとよりおいしい。
※他の青菜やなすで作っても。
花の砂糖がけ
ベランダで咲くビオラも、砂糖漬けにして市販のお菓子に添えれば立派なスイーツに。自分で無農薬で育てた花なら安心して楽しむことができますね。
【材料(作りやすい分量) 】
ビオラの花...適量(市販のエディブルフラワーでも)
卵白...適量
グラニュー糖...適量
【作り方】
1 ビオラは流水でざっと洗って乾かしておく。
2 卵白はよく切り混ぜる。
3 ハケなどでビオラの両面にしっかりと2をつけ、グラニュー糖をまんべんなくまぶす。
4 ザルに3を重ならないようにのせて風通しの良いところで干す。
5 乾燥してパリッとしたら冷蔵庫で保存する。
「暮らしには、目を楽しませることも大切。いっそ育てたり、飾ったりしてみませんか?」ベランダで摘んだ野菜の花をグラスに生けても、季節感が出て会話が弾む、と谷島さんは言います。ひととき眺めた後は、みそ汁の具が足りないときに、チョンと切って入れる。お酒のお供に、つまんで食べる...。季節の遊びが一つ増えそうですね。
谷島せい子(たにしま・せいこ)さん
1947年生まれ。「スタジオMOW」主宰。主婦時代にフランス料理のシェフに料理を習い、自宅で料理サロンをスタート。保存食や団塊世代ならではの人生を楽しむヒントを提案し、雑誌やテレビで活躍中。